タイフェス東京2025(1)サテライト会場でMirrrのライブを体験

タイ音楽

山麓 園太郎です。サワディーカップ。

タイフェス東京2025では今年も俳優さんら出演アーティストの写真を沢山撮ったのですが、最初は5/11(日)の夜に代々木会場からさほど離れていないRobin Club表参道(青山)で行なわれたMirrrのコンサートの模様をお届けします。

代々木会場の屋外ステージは無料で観られる反面、音響や照明など演出面で制約が多いことから有料コンサートをサテライト会場で開催してじっくり楽しめるようにしよう、という2024年からの試みですね。Billboard Live YOKOHAMAでのScrubbや渋谷eggmanでのMILLIに足を運んだ方もいらっしゃることでしょう。いかがでしたか?

中でもRobin Club表参道は1日目の夜にParadise Bangkok Molam International Bandのライブ、2日目の昼間はNippon Boyzのファンミーティング、そして夜のMirrrとタイフェス東京を会場外でも盛り上げました。

僕は代々木でINDIGOのステージを観てから駆けつけました。会場内でもチケット買えたから、大盛況になると良いなと思いながら。

Mirrr(舌を上顎にくっつけてマとムの中間っぽく「マー」って言うのが一番発音は近いかな?)はヴォーカルのToeとギターのNowで2018年に結成。現在はThe TOYSと同じWhattheduckレーベルに所属しています。結成当時はシンセ・ポップ色が強かったけど徐々にR&Bに接近してアンサンブルの中でNowのギターが目立ってきた感じかな。最初に知ったのはこの2019年のMusic Videoでした。

しかしこれ以来、特に活動をチェックするわけでもなく「名前は知ってるけど」なバンドのリストに入れちゃった僕はCat Expoでもスルーしてて、今日は通りすがりにたまたま、みたいな風情でRobin Clubの階段を降りたんですよ。申し訳ないことに。

ところがライブ中泣いてしまった。演奏ももちろんですが、集まったお客さんを見ててT-POPを取り巻く現象のひとつとしてハートにドン!とくるものがあって。それについて書きますね。

最前列でワクワクしている日本人のT-POPファンや、渋谷SUPER DOMMUNEのイベントでご一緒したDJ Chueさん、ラジオでご一緒してるトムヤムさんらT-POP好きと開演を待っていたんですが、続々と入ってくるお客さんは、ぱっと見た感じ7割くらいがタイの20代っぽい人たちです。プレスリリースにあった「今、若い世代に刺さるサウンド」という言葉通り。そしてサポートメンバーを迎えたフルバンド編成でステージは始まりました。

こういう規模の日本でのT-POPライブは数多く体験してきましたが、自分がこれまで「日本に広まれT-POP!」というスタンスで活動してきたせいか、つい日本人のお客さんの様子を気にしがちでした。しかし今日、僕の周りにいるのはタイの人がほとんど。

もちろんCat Expoに行けば同じようにタイの人に囲まれます。でもここは日本で、東京で、彼らの多くは都内で学校に通ったり仕事をしたりしてる。そこに気付いてハッとするのと涙腺が崩壊するのがほぼ同時でした。

普段YouTubeでしか見てない、大好きなバンドが今暮らしてる東京でライブやるから観にきた。ヒット曲のサビでは自然に全員が歌い出します。特にタイの人は歌詞にどれだけ共感できるかがその曲を好きになるポイントだって言うけど、タイ語ができない僕でもYouTubeで日本語字幕を設定して見れば大体の意味は掴めます。特にここ最近の数曲はとてつもなく切ない。

若い世代だからこそ、そんな片想いや失恋はいつも近くにある。日本で暮らしてる今も。そんな気持ちに寄り添ってくれる同世代のMirrrの歌。「だから好きなんだよね」ステージを見つめる目がそう言っているようです。

一方僕にとっても、その切ない歌詞は遥か昔の苦い記憶を容赦なく掘り起こすには充分で(笑)、それがJ-POPにも通ずる美しい起伏のあるメロディに乗って胸の奥底まで入り込んでくるのをただ涙ぐんで受け入れるしかありませんでした。幸いお客さんの目はステージに注がれているので隅の方で日本人がひとり泣いていたって誰にもバレません。

言葉の壁を越えて感情が伝わってくるのはヴォーカルの素晴らしさだけじゃなくて、バンドメンバーの演奏力の高さも理由でした。生で観なきゃもったいないバンド。

そしてもうひとつ良かったのはこの公演がライブハウスではなく、「ライブスペースのある飲食店」で行なわれたことです。

青山スパイラルビルのB1Fにある、このRobin Club表参道は普段はダイニングレストランとして営業。ランチ/カフェ営業が毎日11:30~15:30、ディナー営業が17:00~23:00。ステーキやワインが自慢のお店です。

お店へ降りる階段の踊り場

Robin Club表参道を経営する企業のサイトには
「飲食店は社交の場であり、人々の中にあって一人にもなれる場所」という一文があります。

ここに集まったタイの若い人たちにとって、このお店はまさに社交場。「ねぇ、君たちもタイ人だよね。はじめまして。どこに住んでるの?」という会話もあったでしょうし、「お給料出たら普通に食事に来ようかな、ここ」と思った人もいたでしょう。

Robin Club表参道は彼らにとって、ライブがない日でも「今度友人とパーティー開く場所」「今度デートで恋人を連れて行く場所」のひとつになって、日本での生活のスパイスになる。これってとても素敵な事です。

これまた切ない新曲「HANDYCAM」が演奏されるのを聴きながら、今度こんな機会があったら僕もタイ人のお客さんに話しかけてみようと思いました。

ライブ中は写真や動画撮影も自由なタイスタイル。終演後もたくさんのファンがメンバーと歓談して、ツーショットを撮っていました。

Mirrrありがとう!タイ語がわかんなくても泣いたよ!そしてRobin Club表参道のスタッフの皆さんありがとうございました。ドリンク美味しかったです。いつか僕もステーキ食べに行きたいです!
そしてここに集まったタイの人たちの恋や仕事が、どうか毎日上手くいきますように。

次回タイフェス名古屋のレポートを挟んでから、タイフェス東京の記事にとりかかる予定です!

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