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ゲームと音楽で繋がるタイと日本?! シンディ・スイ

タイ音楽
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山麓園太郎です。先日東京で開催された「アジアのポップスを聴き倒す会 第3回 タイ編」に行ってきました。

人気ブロガー「タイ人になりたいよしだ」さんが、溢れそうだけど表面張力でかろうじて踏ん張ってるタイポップ愛を時折こぼしながら(笑)集まった皆さんにオススメの曲を紹介する、というナイスな会で「タイポップは聴いたこと無い」って人から、よしださんがなりたい「タイの人」まで満員御礼でした。

トークと選曲眼で観客を虜にするよしださん(手前)と、イベント主催のLeeさん(奥)。

僕はお客として参加したんですが、時々僕の知り合いが紹介されたりすると少しトークに補足をしたりしました。集まった皆さんそれぞれでタイポップ観やグッとくるポイントが違っていて、とても勉強になりました。

そんな中で、集まった誰もが「おぉ~これはいい!」と身を乗り出す曲がいくつかあって、その筆頭がシンディ・スイのこの曲でした。

Cyndi Seui – Zero Polis

彼の作るサウンドは、一瞬で人の耳を惹きつけるんです。何故だろう?

Cyndi Seui(シンディ・スイ)
2000年代初頭にMySpaceで音楽を発表し始める。デビューアルバム「Micro Bitz Life」発売後から東南アジア圏でライブステージを経験、続く第2作「My name is DOS」が大ヒット。マイアミ・ホラー等海外のアーティストのリミックス・ワークを手がけた事で世界のエレクトロ・シーンにその名を知られるようになった。その後Smallroomレーベルのエグゼクティヴ・プロデューサーとして数多くのアーティストの音楽制作に関わる。中でもフリッパーズ・ギターへのトリビュートアルバムは「タイへ行くつもりじゃなかった」のタイトルで日本でもリリースされた。現在は独立して主にCM音楽の制作を手がけている。

僕はSmallroomのコンピレーション盤で彼の名は知っていましたが、その後この曲(Zero Polis)を番組で紹介するにあたりSNSでメッセージをやりとりして親しくなりました。

ある日彼のインスタグラムを見ていると、沢山のメガドライブ(セガが1988年に発売したTVゲーム機)のゲームが映ってるのを発見。

僕は1980年代半ばから1990年代初頭にかけてゲーム会社「テクモ」(現・コーエーテクモゲームス)に在籍していました。ゲームが好き過ぎて就職したのです。家庭用ゲーム機を10種類程所有し、食費削ってもゲーム。貯金ゼロ。気になる女の子(一般ピープル)とデートにこぎつけたが、ゲームセンターで「スペースハリアー」のノーミスクリアを自慢げに披露して翌日から連絡が途絶えるという痛さ。そんな生活だったので、実家には大量のゲームソフトがまだ眠っていて、日本では今更中古でも値段が付かないしさてどうしようかな~。と思っていた所。

シンディに「セガのゲーム好きなの?」と訊くと「マニアなんだ。集めてる」との返事。
断捨離チャーンス!翌日実家の魔窟と化している部屋からゲームを発掘してきて写真に撮りました。

「ねぇ、僕これ持ってるけど欲しい?もう遊んでないからあげるよ」

シンディに送りつけた写真。メガドライブや後継機種のサターン/ドリームキャスト、そしてプレイステーションのゲームソフト達

目の色が変わった(いや、実際はメールだから色が変わったかはわかんないんだけど)シンディから「マジすか?!」と速攻で返事が来てトントン拍子。ボストンバッグ一杯にこれを詰めて僕はバンコクへ。往路から預け入れ荷物の重量制限でヒヤヒヤしたのはこの時だけです(笑)。

トンローのおしゃれなレストランでシンディ一家と僕と社長が初対面。

タイで手に入れるのはほぼ無理だった激レアゲームの数々にテンションMAXのシンディ。ゲームには興味ない奥さんとの温度差(笑)

シンディはプレミアものの大量のゲームをタダでゲット、僕は実家が片付いて大助かりのWIN-WIN取引き。これだけじゃないです、他にも片付きました。写真はシンディのインスタから借りようかな。

この時はまだ聴いたこともなかったSTAMPがコメントしてくれてました
1980年代の楽器カタログ
小指の先くらいの楽器ピンズ。これも1980年代モノ
銀ネジ初代OD-1の時計。この他YMOのVHSや渋谷系のCDなども

シンディとは色んな事を話しました。津川ゆりあさん(「Zero Polis」で歌っています)の声が素晴らしいからまた共演して欲しい!とか、Smallroomで1曲に50以上の音パーツを使って凝りに凝ったサウンドを作っていた(そして現在では予算と時間の制約でそれが出来なくなった)話とか、坂本龍一がスネアの音を実は3~4つのサンプルレイヤーで作ってる話とか、一番好きな曲が「遥かなる影」だとか。タイ音楽シーンの伝説的人物だけど僕とはゲーム繋がり、緊張感と遊び仲間のような気楽さがごちゃまぜの濃密な時間でした。

僕のおみやげと引き換えにシンディがくれたのは「Toy Boy」のアナログ盤と、コルグのシーケンサーの限定モデル!

その後もシンディ一家の休暇来日の時に観光スポットや交通機関の相談に乗ったりと、時々会っています。

シンディの奥さんともすっかり親しくなりました
娘さんになつかれるうちの社長
男性陣は相変わらず趣味モード全開。僕の山下達郎と・・・
シンディの手がけたレコードを交換とか。
子供1人と大きな子供2人(笑)。写真はうちの社長が撮ってくれました

さて、シンディってシューティングゲーム(戦闘機とかに乗って敵を撃ち落として進んでゆくゲーム)が特に大好きで、これは僕も同じなのでなんとなく分かるんですけど、
◎戦略よりも反射神経。刻々と変わる状況に自由に対応
◎スピード感や射撃の爽快感が重要。これをノーミスで持続することでトランス状態に
◎ゲーム中の効果音もBGMと同じ位重要。爆発音や発射音もあえて曲のテンポに合わせたり

これって、音楽に置き換えて考えるとそのまま彼のサウンドの特徴をよく表してるんです。
彼の手がける音にはいつも「音色の快楽」があり、よく聴くと背景に隠しキャラのように音が仕込まれていてパーツ数は多いのに決して散らからない。

Ki Kirata – ลังเล [Official MV]
彼がSmallroom時代にプロデュースしたKi Kiratraの「ためらい」。もの凄い数の音パーツを詰め込んでるのにライトメロウなシティポップ風に仕上がっちゃうのはシンディの魔法。曲もアレンジも神レベル。ぜひヘッドフォンで聴いてください

思うに、彼は直感的に決める部分がとても多くて、それらを上手く馴染ませたり繋げたりっていう作業も凄く楽しんでやっている気がします。でもノッてくるともう寝食も忘れて集中する。まさにゲームで遊んでいるみたいに

その一方で彼には全体を俯瞰して見る視点も備わっています。東京で会って食事してても、

娘さんを連れて「外でこの子と遊んでくるよ」と席を外す。娘さんの世話に忙しい奥さんが落ち着いて食事を取れるように、さりげなく気を使っているんです。

このバランス感覚が彼の音楽を特別なものにしているんじゃないかと。彼のフェイバリットはずっとジャミロクワイだそうですけど、音楽制作への姿勢はプリンスにより近いと思います。

一方、時間や日付についてはかなりアバウトな把握をしてるシンディ。約束しても午前と午後を(時には週まで)ナチュラルに間違えるので(笑)、会うときは彼の奥さんに仕切ってもらう事にしています。でもこういう天然なところも音楽にはきっといい方に作用するんですよ。

Na Polycatを交えて会った時も、日本で買った音楽機材の話になるともうすっかり2人で夢中に。そういえばNa Polycatもゲーム好きですよね

次に会う時は、彼とメガドライブのゲームで一緒に遊んだりしてみたいなぁ。ともかく、こうして我が家に眠っていた古いゲームは、今タイの伝説のプロデューサーの部屋のTVに繋がっています。レコードでも雑誌でも同じですけど、日本でコレクターの倉庫にしまいっ放しにされてる位なら海外で第2の人生を送る方が幸せなんじゃないか?と思う時があります。クラブでDJに回されたり部屋で読み古されたりとかね。みなさんも「逆ばら撒きみやげ」に抹茶キットカットとかはもういいから部屋にあるファッション雑誌や古いレコードを。海外にこういう趣味で繋がる友人が出来ると楽しいですよ!

‎cyndi seuiの「Toy Boy」
‎アルバム・2014年・7曲

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