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映画「バッド・ジーニアス」とFWENDS

タイ音楽
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山麓園太郎です。やっと近くの映画館(浜松・シネマイーラ)に「バッド・ジーニアス」が来たので見に行きましたが、こりゃ凄い!

各種メディアで「オーシャンズ11」に例えられたりして元々膨らんでいた期待を、更に上回るハラハラと爽快感が開始直後からエンディングまでずっと持続する所が凄いんです。

この映画の監督はTVCMやMVの制作経験が豊富だそうですが、15秒や4分でメッセージを伝える力に長けている人が各シーンをその手法で撮って繋ぐんだからそりゃそうなるよね、と。

未見の方、もしまだお近くの映画館で上映していたらぜひ。集中力が高まった時に「ゾーンに入った」なんて言いますが、それにも似てて。音楽やスポーツをやる人は特に没入して見られると思います。

さて今回この映画をネタにするのは、僕の友達がこの映画の音楽に携わっているからです。FwendsのヴォーカルMayちゃん。

時にシューゲイザー、時にドリームポップ。Fwendsはそんなバンドです。作詞作曲とサイドギターを担当するのがMayちゃん。自身のファッションブランドも持っています。

映画のエンドロールで流れる「Why Can’t You See」はSmallroom所属の女性シンガーImageによるものですが、オリジナルのFwends版も作品中で使われています。僕はこちらの方が好み。

FWENDS – Why Can't You See (Official MV)

この曲のプロデューサーCyndi Seuiもこの映画に1曲「Toy Boy」を提供していますし、短いシーケンスのBGMを担当しているThe Photo Sticker Machineもタイのエレクトロ・ラウンジ界のレジェンド的存在です。マニアックな人選だなぁ(笑)

僕が初めてCat Expoに行ったのは2017年の2月に開催されたCat Expo 3Dからなんですが、この時はFwendsも出演しており、Cyndi Seuiから「90年代サウンドのバンドなんだ。要チェックだよ」と聞いていたのでブースに行って挨拶をして、出たばかりのCDを買いました。その夜のステージがそりゃもう凄かった。

目の前で始まった新曲「ペトリコール」はMy Bloody Valentineを思わせるシューゲイザー。Mayのヴォーカルはビリンダ・ブッチャーよりも更にイノセントかつエロティック。深いエコーと残響に滲んだギターの音の揺らぎに身を委ねていると曲のテンポが落ち始めます。そう、この曲には殆ど停止寸前まで曲が遅くなってゆく、というギミックがあるんですが、Fwendsはそれを生演奏でやってのけたのです。僕の中ではCat Expo 3D中のベスト・パフォーマンス賞。

FWENDS – Petrichor

帰国して早速「ペトリコール」を番組で紹介する事にしてMayにインタビューし、その内容はFM豊橋「ラビット・アワー」で紹介されました。

May(Fwends) インタビュー(2017年3月)

山麓:バンド結成はいつでしたか?

May:2015年の末です。

山麓:文化やファッションも含めて、90年代から一番影響を受けた事は何ですか?

May:やはり一番は音楽です。私達はちょうどその時代から音楽を聴いていました。今は遡って深堀りしたりはしないけれど、それでも時々は当時の音楽を聴き返します。そこには音楽にとって欠かせない「精神」があるように思います。90年代は音楽が下降線を辿り始める直前の、最高の時期だったと感じています。

山麓:Cat Expoでの「ペトリコール」の演奏にはとても衝撃を受けました。最初の印象はもちろんMy Bloody Valentineですが、Fwendsのサウンドは更に美しく、透明感、無垢さ、揺らぎ、そしてある種のエロティックなムード・・・様々な要素を完璧な配合でブレンドした、度数の高い蒸留酒のようだと思いました。

一方「Why Can’t You See」では明快でダンサブルなビートとアシッド/サイケデリックなムードが強調されています。作曲する時に、このように明確なアレンジの方向性の違いは意識していますか?

May:曲が出来る過程は歌詞が先の時も曲が先の時もあるので、作曲中にアレンジに関して明確なイメージはありませんが、ギター2本とキーボード、ベースとドラムスというこのバンドを構成する5つの楽器が私にはとても重要です。(アレンジはバンドメンバー全員のアイデアによって決まります)

山麓:足元の機材も見せてもらえますか?僕もギター弾くんで、人の足元が気になっちゃって(笑)

May : OK。

音を歪ませるもの、音を重ねて厚みを出すもの、残響や揺らぎを加える様々なペダルで構成されています。弦をはじくピックはJim Dunlop Jazz3で、女の子が使うにはかなり分厚い1.38mmのもの。

山麓:最後にあなたがデザイナーを務めるファッションブランド「Cornerstone」についても聞かせてください。
日本の織物と天然リネンにインスパイアされたブランドだそうですが、コレクションを見ていると spend comfortably in hot weather but never forget dress up because we are girls(暑い日も快適に過ごしたい。でもドレスアップは忘れない。だって私達は女の子だから)というイメージが浮かびます。
実際のブランドのコンセプトは?

May : 正にそれ!いいキャッチコピーね(笑)
また同時に、私自身が毎日着たい服を作るためのブランドでもあるんです。

このように明るく答えてくれるMayちゃんですが、「音楽は今後衰退してゆくものだ」と感じている彼女が、それでも音楽を表現手段に選んだ覚悟を考えると、毎回次の作品が出せるように応援したくなります。

映画「バッド・ジーニアス」を見た人も見てない人もぜひ聴いてみてください。

‎FWENDSの「Night and Day」
‎アルバム・2018年・10曲

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