タイの音楽フェス「Cat Expo 6」が楽しすぎた(1)

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ!

タイのラジオ局「Cat Radio」が主催する大規模な野外音楽フェス「Cat Expo6」が2019年11月23・24日、バンコク郊外の遊園地「Siam Amazing Park」(別名・Siam Park City)で開催されました。

前回までは「ワンダーワールド」という、廃業した遊園地跡を会場としていましたが、このフェスの人気が年々上がるにつれてキャパの問題が出てきたのでしょう。第6回目となる今回はそのワンダーワールドから2km程南の、1980年開業の現役の遊園地に会場を移した、という訳です。

Cat Radioに確認したところ、前回の2倍以上となる32000人の観客動員数だったそうです。いきなりワンダーワールドとの比較を書いてしまうと、僕は非常に好印象でした。

1:日陰が多かった

開場を待つ時間が直射日光との戦いだったワンダーワールドと違い、入場ゲートも屋根付きです。暑いには変わりないけど(日中は最高気温35度くらい)体力消耗はずいぶん抑えられます。

園内もこのように植樹されていて、木陰で一息つくことができました
全部で6つあるステージのうち2つは客席に屋根付き、1つは空調の効いた屋内ステージでした (画像はCat Radio公式より)
開演前・日中のステージ1の様子。日焼けの心配もありませんね!

2:飲食が種類豊富で充実

例年に比べてもフェス飯屋台が多く、タイのローカルフードからホットドッグやケバブサンド、果てはサーモンの刺身まで売ってるのにビックリ!ミネラルウォーターや各種ソフトドリンク、スイーツやかき氷も。園内のレストランも営業していて、こちらは現金会計でした。

飲食は園内あちこちにある食券売り場でクーポンを買い、値段分のクーポンと引き換える方式でした。

100バーツ分がひと綴り

3:遊園地とのコラボによるサービスの強化

当日はCat Expoが遊園地を貸切にした形なんですが、入場者は園内のアトラクションが乗り放題のクーポンを300バーツで買うこともできました。お目当てのライブまで時間が空いてる人や、デートも兼ねて来てるカップルさんは遊園地で遊ぶこともできたんです。例年の会場にもアトラクション(残骸)はありましたけど、今回は実際に動いていて、沢山の人が楽しんでいました。

園内の売店も通常通り営業していたので、着替え用のTシャツや帽子、アイスクリームなどを買うこともできましたし、ゴミ箱は園内にもともと設置されているものも活用され、ゴミの回収・清掃は遊園地の従業員が担当しておられました。例年より明らかに便利で清潔な会場。これは遊園地と業務を協力した強みでしょう。例年は無料配布だった会場マップ/出演タイムテーブル表が今回は5バーツ(約20円)で販売だったのも、ポイ捨てのゴミが少なかった理由かと思います。

課題点

逆に残念だったのは駐車場の問題でした。複数の出入口を入庫と出庫で分けなかったため、入る車と出る車、出られなくなった車(!)で完全に膠着状態に。更に送迎車やタクシーが乗り付けるので会場周辺の道路は酷い交通渋滞になりました。

もうひとつは各ステージがワンダーワールドの時と比べて若干小さくなってしまったことです。大物が出演すると早々に会場から観客があふれてしまいました。ここでも誘導がまずくて出入りする観客が入口付近でぶつかってしまい、入替がうまくいかなかった印象があります。

あとは物販ブースが会場全体に散らばったため、買い回るには結構歩かされたのが少し大変でしたが、駐車場の誘導や園内のレイアウトは今回の経験をふまえて次回改善されると期待しています。全体を通しては「新しい会場になって良かった」と感じる場所でした!

山麓園太郎
山麓園太郎

ではまず物販ブースについてレポートしていきましょう!

初日に買えるだけ買う!

開場から1時間半ほどはまだステージでの演奏も始まらないのでお買い物チャンスです。Cat Expo先行販売のCDやグッズがてんこ盛り。初日で完売するものも多いので「死んでも買うものリスト」を作ってブースを回る順番も決めておきます。ショッピングバッグ必携!

開催数日前になると、Cat Radioの公式フェイスブックに物販リストと販売ブースがアップされます。これを見て欲しいものをチェック(画像はCat Radio公式より)
僕のリスト。ほぼ回りきりました・・・
サンシャイン・ポップ・バンド「Superbaker」のブース
ブースに立っているのはバンドメンバー!本人から直接手渡しでグッズ買えるって日本じゃなかなかないですよね

鼻息も荒くブース間を駆け回った僕のショッピングバッグは、開場1時間でずっしりみっちり。帰国してから広げた図がこれなんですけど・・・

「財布の紐がゆるむ」とかそんなレベルじゃないですね。紐が抜けてる!(笑)大穴が開いたとも言う。CD18枚、7インチレコード1枚、トートバッグ2つ、Tシャツ2枚、音楽雑誌3冊!いくつか簡単に解説しましょう。

即日完売必至のTELEx TELEXs最新ミニアルバム。12月に日本盤発売予定。会場で配布されていたCat Radio公式マガジンには今夏のサマーソニック出演レポートが載っていました
これだけは買ったものじゃなくて、早い時期に前売りチケットを買った人はこの会場限定配布の特典CDがもらえたんです。過去のCat Radio関連イベントでのライブ音源などが収録されたコレクターズ・アイテム
2018年のタイフェスティバル東京出演者Earth Patravee、待望のニューアルバム。ポストカード付
日本での「ギター・マガジン」に相当する音楽雑誌。楽譜やタブ譜はギターだけだが、新製品情報は鍵盤楽器から打楽器、DTMまで幅広く載っていて表紙アーティストのグラビアもある。はい・・・BNK48目当てで買いました・・・(笑)下段右のCDは新人バンドのデビューシングル。横の2枚はSPICY DISCレーベルのワゴンセール(あるんです)。2006年頃の作品です

さて。「物販ブースに本人がいる」のはCat Expoでは珍しくないことですが、それが人気者だと長蛇の列が出来ます。例えばBNK48を卒業してソロ活動を始めたCan Nayika。

僕も2ショット撮りたかったけど列が長すぎて断念。もっと凄かったのは日本デビューも果たしたSafeplanet。

超が付く忙しさ。Tシャツが飛ぶように売れていきます。挨拶しに行くのも無理でした。

FEVERブースの突出した熱狂ぶり

Cat Expoはアイドルも他ジャンルと同等に扱っていて、今回はCM CafeSecret12がブースに、そしてFEVERDAISY DAISYSweat16!、BNK48を卒業した前述のCan NayikaJanChan がブースとステージに、BNK48の派生ユニット3人組Mimigumoがステージのみに出演しました。

つまりCat Expoにはアイドルフェスとしての側面もあるんですが、ファンの熱度が異常に高かったアイドルがいました。それがFEVERです。名前にピッタリだ!

画像はメンバーBaifernのインスタグラムより

ステージ出演日、メンバー12人中10人が入れ替わりでブースにも現れる、という告知がありました。

実は僕、入場時に大きなバッグを抱えていまして、中身が何だったかというとこれ。

メンバーのひとりBaifernは大の日本カルチャー好き。最初の日本カルチャー体験は子供時代のプレイステーション(初代)。しかも「爆走デコトラ伝説」。すげー!どうやらタイでもローカライズして発売されていたらしく、BGMの演歌をルークトゥンのように聴いていたとか。そこからネットで日本の古い音楽の情報を調べるうちにYouTubeで80年代歌謡曲を見るようになって、当時のアイドルの髪型や衣装、メロディーのチャーミングさに惹かれるようになったそうです

「なったそうです」っていうのは、本人に直接訊いたからなんですが(笑)。ラジオ番組でFEVERをかけたくて、iTunesストアでいつ公開されるのか問い合わせたのが最初なんですけど。僕はタイに行く時、Na PolycatやCyndi Seuiにレコードをおみやげで持って行くのが常なので、ついでに彼女にも声をかけたんですね。彼女のリクエストで揃えた70~80年代のレコードを持ってタイに行ったんです。

もちろん彼女はアイドルグループの一員ですから、個人的に会う訳にはいきません。ファンからのプレゼントについてもきっと制限事項があるはずです。なので「ブースに行って、スタッフの人に説明してチェックしてもらって、渡してもらうように頼もう」と思っていました。

加えて、今回僕は日本の某音楽レーベルの人と一緒にCat Expoに来ていまして。まだ可能性の段階の話ですけど、日本でFEVERがCD出したりライブやったりしたら楽しいんじゃないかな、っていう話でともかくFEVER側に挨拶に行こう、というミッションを兼ねていたんです。

で、ブースに向かってみると・・・

何だこの人の数はぁぁぁーっ!!(@@;)

正面からはとても無理です。後ろに回り込もう。

テーブルと頼りなく風に揺れる梱包用ビニールひもだけでファンとアイドルが区切られてるこの状況・・・。まぁ僕らが心配したってしょうがないので一番貫禄のありそうなスタッフに声をかけると、奇しくもプロデューサーでした!早速名刺交換。

「あなたが日本から来たエンタロウさんですね。Baifernから話は伺っております。渡したいものはお預かりしましょう。あと5分程で本人も来ますから、会っていかれますか?」うひゃー。

それにしても・・・他のアイドルブースと比べてここだけが異様な熱気に包まれています。

メガネの女の子はBeamBeam。FEVERとかけもちでタイ・スマイル航空の客室乗務員としても働く異色の経歴
最年少メンバーBaimon
人の多さに疲れてヤードムを豪快に鼻に突っ込むBeam

BNK48以降、タイでは日本式のアイドルが沢山生まれましたがその多くは楽曲もダンスも日本のアイドルのスタイルを踏襲しています。そんな中、FEVERは一貫してエレクトロ/シティポップ路線の楽曲とPerfumeを相当研究した跡が見えるダンスで「聴かせる/魅せる」スタイルを打ち出す一方、ビジネスモデルに関しては2ショット会やフォトカードセット販売などのAKB48スタイル、メディア露出に関してはあえて量を控える坂道46スタイル、と様々なアイドルの特徴を組み合わせている点がユニークです。スタッフの中には日本に8年滞在してアイドルシーンにも詳しい人がいるのだそうです。

・・・ってプロデューサーと話してても一向に残りのメンバーが現れません。結局Baifernたちが来たのは45分後でした。この辺はタイなんだよね(笑)

Baifernちゃんキター!短く挨拶して、「ステージ楽しみにしてるよ!」と言っておいとましました
結局翌日になって改めてブースに出向きゲットしたアイテム

今回はここまで。次回はいよいよ出演者たちのライブレポートです。お楽しみに!

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