タイの野外音楽フェス「Cat Expo 9」(3)1日目・夜の部

タイ音楽

会場を取り囲む木々の向こうに日が沈むと体感温度は少し下がりますがまだ熱帯夜レベル。水分補給を怠らずに後半戦に臨むことにします。今回は各アーティストにフォーカスしてYouTubeも貼り付けつつ書いていくので、興味あるものだけでもMusic Video見てもらうとCat Expoのムードを疑似体験できるかもしれません。

新しいガールズグループ発見

ステージ3を通りがかるとイケメンダンサー2人を従えた女性シンガーが歌っていました。

BERRY BERRYというガールズグループ。2022年5月デビュー。メンバーのソロステージの最中に通りがかったようです。

この日の参加メンバーは15名。Blackberry・Raspberryというサブユニットもあり曲ごとにメンバーが入れ替わりました。楽曲とダンスはK-POP直系でかなりカッコ良く、ルックスと衣装も基本K-POPでちょっとスパイス的に日本のカワイイを効かせた感じ。

おお、この曲「Be My Baby」なんてベースがブンブンで好みだなぁ。これからフォローしよう。知らなかったアーティストとの出会いがあるのも音楽フェスの良いところですね。偶然通りがかって良かった!

さて、夜になると物販ゾーンにゆるーい雰囲気が漂い始めます。
ステージ出演のないバンドの場合メンバーは2日間終日店番になります。交代でご飯やトイレは行けるだろうけどファンが立ち寄ってくれる時以外はそりゃヒマでしょうよ。

だからって背を向けてTVゲームすんな!(笑)
と思ったけどYouTube見てみたら演奏も上手いしDIYなMusic Videoからはバンコクの若者の青春が感じられて(もしかしてまだ学生か?)ちょっといいなと思ったんで紹介しとく。Office Syndromeっていうバンドです!

お、さっき見たBERRY BERRYがDRIVE STAGEの前で集合写真を撮ってる。手に持ってるのはISUZUが提供した風船型サイリウム。会場にはレーザーペンやA4サイズ以上のサインボードの持ち込みが禁止されていた代わりにこれがケージに山積みで置かれていて(定期的に補充されてた)、皆これを応援グッズに使っていました。

次にコーチェラも沸かせたMILLIのステージに向かってみますが観客エリアには入る隙間もありません。やっぱりなー。

仕方ないから物販ゾーンへ戻るとBossとSpamがいました。BossはUPSTER MUSICにもアーティストとして所属しているので着替えて自分のブースにいたようです。SpamはCat RadioのTシャツのままですね・・・って、Plyと話してる!FEVERの元メンバー3人が集まってるー!「アトロク」リスナーの皆さーん!FEVERは元気にしてますよー!

FEVER解散後の、彼女のソロデビュー曲「チャットは開かない」。大胆に歌謡曲に寄せたメロディラインが様になるのも彼女の情感の表現力の高さゆえ

夜も続くファンとの交流

夕方にフェスを盛り上げてたDEPTもブースに来て写真とサインに応じています。行列ができています。

ラジオで取材したこともあるH3Fもブースの前でファンにサインをしています。僕も物販の靴下を買って「あとでステージ観に行くからね!」と伝えました。

実際こんな感じでファンが好きなアーティストと直接交流できるのがCat Expoの大きな魅力です。もしタイポップスが最近気になってて、いくつか好きなバンドもあったりしたらぜひ次回のCat Expoはチェックしてください。タイ語が話せなくても簡単な英語でいいんです。日本から来たファンに「ライブ良かったです!Tシャツ買いに来ました!」なんて言われたら、きっと彼らはまたゴキゲンな新曲書いて僕らの耳に返してくれると思いますよ。

喪失の悲しみを乗り越えて

ステージ2のSqweez Animalも楽しみにしていたセットのひとつです。

元々はWinとSinghaの2人によるユニットだったSqweez Animal。人気絶頂の最中の2015年、卓越したアレンジの才能でユニットの音楽性を決定づけていたSinghaが交際相手との破局を悲観して自殺してしまいます。交際相手も人気芸能人だったことからタイ国内で大きなニュースになりました。僕はその直後ちょうどタイにいて、街のあらゆる商業施設でこの曲がレクイエムのように流れていたのを覚えています。

Music Videoの内容がSinghaの死を予見するようなものだったのもこの曲が話題になった理由でした

その後はWinのソロプロジェクトとして、Singhaのいた頃のサウンドを大切に残しながら活動しています。最近Singhaが生前最後に残したデモを元に仕上げたと思われる新曲も公開されました。

続けてH3Fの出番です。

ギタリストのGongはFEVERに楽曲提供(「NGLMD」)しています。

スウィート・ソウル系の曲も書きますが本人のルーツはブルースロックです。この曲なんか現代に蘇ったジョン・メイオール & ザ・ブルースブレイカーズみたいでしょ?

日本のバンドの人気

歩いていると女の子に声をかけられました。タイ語だったので「えーと、コン・イープン(日本人です)。ごめんね、タイ語が話せないんだ」と返すとすぐ英語に切り替えてくれて「観覧車をバックに撮りたいの。私のスマホで撮ってくれる?」と訊いてきます。OK。会場にはひと目でCat Expoだと判る写真映えするポイントがいくつかあり、そこでポーズをキメるのが定番なんです。

「日本から来たの?ワオ。LUCKY TAPESも撮る?」「もちろん。この後すぐだし」「私も今から行くの。大好きなんだ。写真撮ってくれてありがと!」大学生くらいかな。日本のバンドはLUCKY TAPESとTHE FIN.が出演ですが、タイの若者からも日本の音楽が注目されているのを改めて感じました。彼女たちの親もまさに90年代のJ-POPブーム世代になるんですよね。

タイのジャニーズ?

通りすがりにATLASも撮っていきます。人気急上昇中のボーイズグループです。歌とダンスはカッコよくキメて、トークはリラックスして気さくに。客席からはA4サイズに収めたサインボードが結構掲げられていて本当にジャニーズっぽかったです。

さて、LUCKY TAPESですがタイでかなりの人気!ステージ1に凄い数の観客を集めています。

ステージの縁に腰かけて客席に「バンドのTwitterにこれからやる曲の歌詞をローマ字であげました。一緒に歌ってくれたら嬉しいです」という感じで呼びかけた高橋海さん。その曲「MOOD」が始まると観客もスマホ片手に大合唱で応えました。熱いなー!

僕はこの曲でステージを離れて今度はTELEx TELEXsのステージへ向かいますが、物販ゾーンを通り抜けているとなんとViolette Wautierがいます。うわっ凄い綺麗!映画祭からそのまま来た、みたいな。映画「プアン 友だちと呼ばせて(One For The Road)」も年明け2023年2月にDVD発売予定ですよ~。

配信中の最新アルバム「Your Girl」のアナログレコードが発売予定でその予約をブースで受け付けていて、予約したファンにはチラシに直筆サインを書いてくれたみたいですね。

さぁTELEx TELEXsのステージにやって来ました。

Aom (vo)
New (g)
Pew (synth)

初めてのCat Expo参加の時に彼らのステージを見て、その後「日本でライブしたいんだけど、どうすれば良いか?」と訊かれた時はその後の展開を予想することはできませんでした。タイで熱狂的なファンを多数抱えているのは解ったけど、当時ローカルFM局のお呼ばれDJだった僕に何ができる?と思って腰が引けたのを思い出します。

でも日本であちこちに彼らをレコメンドするうちに点と点が繋がり、来日公演とサマソニ出演とCD発売が決まったのはご存じの通りです。絶対にあきらめなかったから・・・いやこれじゃちょっと名言っぽくてアレだな。しつこかったから(笑)実現できた、といえます。僕の立場からは。

そして彼らもまたあきらめなかったのです。だから今の人気があるんだと思います。僕がステージ前に駆け寄って手をブンブン振ると、ヴォーカルのAomが「来たの分かってるよ」とばかりに指さして笑いました。

続いてサンシャイン・ポップ・バンドの代表格Superbaker。彼らもこのフェスの常連です。とにかくどの曲もメロディが美しい!

フェスは夜11時頃終演予定ですが、僕は9時くらいにはおいとまするつもりでした。2年半ぶりのタイ。ってことは僕は2年半ぶん年取ったわけで(笑)久しぶりの海外で無理は禁物、体力を明日に残しておこうと思ったんです。これまではガッツリ終演までいたし、Violette WautierやYONLAPAも気になるけど・・・Phum Viphuritが今ステージ1で演ってるから途中まで見たら帰ろう。

やっとライブ見れた!(初)
日本で一番早く彼にメールでインタビューしてるのに来日公演でもCat Expoでもことごとく予定がすれ違って一度も彼のステージ観たことなかったんですよ!夢が叶ったー!

やっぱりアイドルに足止めされる

9時になったので帰ろうと入場ゲートへ向かうとDRIVE STAGE BY ISUZUに小規模な人だかりができています。あ、BossとSpamだ。

今日このステージ最後は・・・あ!アイドルグループのSiam Dreamだ。アイドルは元アイドルが紹介する。徹底してるな。このステージに出るってことはパフォーマンス動画で応募して出演を勝ち取ったってことだ。きっと何か魅せる力があるに違いない。

・・・これ見てから帰ろうかなぁ。この子たちのことはほぼ何も知らないからアウェー感あるけど・・・(約5秒)あーもう!やっぱりアイドル好きとしては素通りできんな。よーし観る観る。ちょっとだけ観て帰る!

今年のTIF(Tokyo Idol Festival 2022)にも来日して出演したし、過去には日本人メンバーが在籍してたこともあるって、かのんさん(タイのアイドルが大好きでYouTubeに紹介動画を多数上げてるオタク姉さん。Siam Dreamのメンバーにもすっかり認知されてる)が言ってたな。赤色担当のメンバーのIceちゃんが可愛くてたまんないとかって・・・

おお・・・

おおおお・・・本当だ。可愛い。しかも曲もカッコいい!

先のBERRY BERRYのようにK-POPの流れを汲むアイドルとは違う。曲もダンスパフォーマンスもまさしく日本のアイドルの王道でした。日本ではほぼそんな現場に行かないくせに、なぜタイでそれを目の当たりにしてこんな居心地の良さを感じているんだろう。

結局最後まで観ちゃった(笑)。かのんさんにこのグループ教えてもらったようなものだからIceちゃんの写真撮って送ろう。バックステージへ行き緑色担当の子(Musicちゃん)に「こんばんはー!日本から来ました。かのんさんの知り合いです」と声をかけると「えー?!本当ですか!」と驚きながらIceちゃんを呼んできてくれたので、「かのんさんに写真を送りたいので撮らせてもらえますか?」と訊きOKをもらいました。ちなみにここまで全て日本語です。

凄まじくキュートなので「ナーラック(可愛い)なのでもっと寄ってもう1枚いいですか?」と再度レンズを向けると

うわー破壊力抜群。僕も推すことにした(笑)。Iceちゃんは日本語がとても上手で「今度はドンキモール(彼女たちタイの地下アイドルのイベントはトンローに出店したドンキで毎週のように行われている)にも行ってみたいですー」と言うと「はい!ぜひ来てください。また会いましょうね!」と答えてくれました。

Siam Dreamのメンバーは終演後Spamと写真を撮ったり話し込んだりしていました。アイドル同士のコネクションもきっとタイは深いんですね。

FM802の土井さんは取材スタッフと一緒だし、コーヒーセッションさんはアジポ会メンバーと乗り合わせて帰るって言ってるから安心だ。僕はソロで帰ることにして流しのタクシーつかまえてホテルに帰りましたが、寝る前にセブンイレブンに行かなきゃなりませんでした。

もうね、筋肉痛がMAXでね、塗り薬買いに行ったんですよ。サロンパスを2倍濃縮にしたくらいの凄いメントールの匂いがするやつを。頼む!翌朝には治っててくれ!今夜はこれにて就寝!続きは次回。

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