STAMPと僕(6)タイフェス名古屋・初日

タイ音楽

フェス前日に名古屋入りしたSTAMP。僕は仕事の都合でフェス当日の朝合流でした。前夜「名古屋はどう?」とLINEで訊き、「I LOVE THE CITY!」と返事が来たので安心しました。

大ピンチ(前回書いたビザの件)を乗り越えてから、僕達のLINEでの打ち合わせは楽しいものでした。中でも思い出すのは欅坂46に関するやりとりです。

彼がBNK48結成時のオーディションに審査員として関わっていたのはファンにはよく知られていますが、彼自身もAKB/坂道グループの大ファンです。中でも欅坂46は一番のお気に入り。てち(平手友梨奈)推しで、コンサートを見るために来日したことも。(乃木坂46に入れ込んでいた時は、ハマりっぷりを心配した奥さんに仕事を入れられて来日の予定をつぶされたそうですが)

所謂「サイマジョポーズ」を決めるSTAMP。隣はバンドメンバーの山本さん。

実はタイフェス当日は、同じ名古屋のポートメッセで個別握手会が開かれていたのです。

STAMP : サウンドチェックと本番の間にどの位時間ある?

社長 : どこか行きたいの?

STAMP : 欅坂の握手会。

山麓 : あれって握手券がないと入れないよね?

STAMP : 当日朝から並べば、会場で握手券の付いたCD買えるかも・・・。

・・・この熱意。フェス当日とはいえ、なんとかしてあげたいのはやまやまですが・・・。

STAMP : 電車で片道何分かかる?

山麓 : 電車移動は主催者からNGが出てるから、専属ドライバーと一緒に車でなら行けるけど、握手会では何時に自分の番が来るかわかんないよね?本番1時間前には会場に戻っていてくれないと。それにさ、ずっと外で並んで待つんだよね?お昼ご飯はどうするの?

STAMP : grab onigiri at conveni (原文ママ。「コンビニでおにぎりを買う」)

欅坂46の握手会場で、一般の日本人に混じって並びながらコンビニの袋から出したおにぎりをモソモソと食べるタイのスーパースター・・・どう考えてもシュールな光景です。しかし、それに対する社長の答えはもっとシュールでした。

社長 : I Will Give You 1000 yen.

あげるのか?!金額も微妙だよ!

STAMP : Daijoubu!

大丈夫じゃないよSTAMP!現時点で財布の中にタイのお金しか入ってないだろ?!

・・・。結局、あきらめたSTAMPでした。そして朝のサウンドチェックに関してちょっとした問題が起きていました。ギタリストのさいとうさんがシールド(ギターとスピーカーを繋ぐケーブル)を忘れた、と言うのです。忘れないように玄関のドアノブに掛けて、そのまま機材車に乗って出発してしまったと。機材車のワイパーに掛けとけば良かったのに!(笑)

シールドがないと音も出ません。朝は僕が普段使ってるものを貸して、後で改めて楽器屋で買う事になりました。

朝早くからSTAMPバンドのサウンドチェックが始まりました。

しかし流石はスーパースター。午前中に出演するタイ舞踊の人達や、出店するタイ料理店の人達にあっという間に囲まれてリハになりません。

何しろ、このフェスでSTAMPを見る為にタイからやって来た熱烈なファンがいる位ですからね。

リハを切り上げて、食事と楽器屋の用事を済ませておきましょう。

お昼は浄心にある「ヤンガオ」で。オーナーの村松さんはタイに6年住んでいたデザイナー/DJで、STAMPと共通の友人が多いので紹介したかったのです。
大須の「コメ兵」で。さいとうさんがシールドを買ってる間、僕はギターに繋ぐエフェクター(音色を変えるペダル)を買う事に。タイの凄い人に見られながらの試し弾きはめちゃくちゃ緊張しました!
さいとうさんとSTAMP、本当に仲が良いんです。そして専属ドライバーとして名古屋滞在中ずっとSTAMPを送迎したエックさんが同じチュラロンコン大学の卒業生だとわかって、STAMPは凄くリラックスした様子でした。

僕の思いつきがまさかの形で実現したこのタイフェス出演。この日を迎えるまでに色々大変な事があり過ぎて、会場入りしても僕はなんだか実感がわいてきません。手放しで喜べない、というか。

しかし、ステージ袖から客席を見に行くと・・・。

今まで名古屋のタイフェスで、これほどステージ前に人が集まったのを見た事がありません。客席に収まりきらずに、出店のブース奥まで続いています。見つからないようにコッソリと覗き見したSTAMPもニコニコしています。

バンドは円陣を組んで気合を入れると・・・

ステージへ飛び出していきました!

客席からじゃなく、ステージ袖から見て初めて気が付いた事があります。ステージに向けられる、お客さんひとりひとりの表情です。笑顔、笑顔、笑顔。この日まで続いた睡眠不足とかストレス性の腹痛とか色々なものが(笑)、沢山の笑顔にかき消されてゆきます。STAMPも楽しそうだ。大変だったけど、やってよかった!!そしてやっぱりSTAMP凄い!!!僕はぐっと堪えましたが、社長はボロボロ泣いていました。

ステージは夕暮れ時のマジック・アワーを過ぎて日没後も続き・・・

短いようで長かったフェス初日が終わりました。

ここで紹介する動画は当日僕がデジカメで撮影していたもので、ピント・手振れ・編集の全てがお見苦しい代物ではありますが(笑)、貴重なドキュメントとしてフェス初日の雰囲気を感じて頂けたら嬉しいです。

フェスは明日もあります。しかしSTAMPから夜遅く「今から僕らだけで少し会わない?」と連絡が入りました。大きな会社の偉い人達との食事会に連れ出されたSTAMP。人見知りな彼は、周りを知らない人に囲まれて全然落ち着けなかったらしく。

バンドメンバーと僕達だけの夜食に合流したのは、なんとRADWINPSのマネージャーさん。この数日後に名古屋で行なわれるRADWINPSの公演をSTAMPが見たくて、その話をしていました。STAMP、本当に日本の音楽良く聴いてるんだなぁ。

こうして、STAMPと僕の名古屋での最初の夜が更けていきました。次回に続きます。

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