タイの野外音楽フェス「Cat Expo 9」(1)概要から開幕まで

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ。

今回はタイドラマ方面からの検索で来る方も多いかと思うんです。俳優さんも出演したフェスの話で、しかも2getherのBright君がサプライズで登場してTwitterがそのシーンの動画で溢れましたからね。

で、「このCat Expoって何?」ってことについては既にファンの皆さんの間で情報が共有されてると思いますけど、さすがに参加組のレポートは少ないと思うんですよ。僕の知る限りで日本から観に行った人は十数人だと思うので。

「来年こそ観に行こう!」と思ってる方に向けてこれから書きますのでね、次回は皆さんと楽しめたら嬉しいですね。

Cat Expo概要

※画像はCat Radio公式より

Cat Expoはタイのラジオ局Cat Radioが主催する野外音楽フェス。2001年、前身であるFat Radio時代から「Fat Festival」の名でバンコク市街地で開催されていましたが盛り上がり過ぎて会場のキャパ不足と騒音が問題になり、バンコク郊外の廃業した遊園地跡「ワンダーワールド」に場所を移しました。例年タイでは過ごしやすい気候となる11月に開催される名物フェスです。僕は2017年の第3回から毎年参加して、コロナ禍で渡航できなかった第7回・第8回を経て2年半ぶりに第9回(2022.11.12-13)への参加を果たしました。

タイドラマファンにはおなじみのScrubbやSTAMPは常連ですが、やがてインディーズバンドだけでなくアイドルも出演するようになり、第7回(2021年)にはタイドラマ人気を反映してか歌手活動もする俳優Mew Suppasit (「TharnType/ターン×タイプ」主演)が登場、今回の第9回にはMewの他Nanon KorapatBillkinの出演も決まってタイ沼の皆さんがざわついた訳ですね。日本でもGMMのファンミが実現しましたけどタイに行けばこの3人とScrubbのライブいっぺんに見れる!と。問題はチケット購入でしたが日本からの購入方法を丁寧に解説してくれる方もいました。

でも当日会場へどう向かえば良いのかとか、Cat Expoの詳細を知ってる方は誰も居なさそうです。ちょっと心配になってきました。タクシーしか交通手段は無いけど交通渋滞で市内から2~3時間かかる事もあるからお目当てのステージに間に合わなかったら悲しいです。それに帰りが深夜だと特に女性はひとりでタクシー乗るの危ないし。

参加表明してたのは僕の所属してる「アジアのポップスを聴き倒す会(通称アジポ会)」界隈から数名、更にFM802「EVENING TAP」のDJ土井コマキさん、そして僕のTwitterのフォロワーさん達。殆ど女性です。こりゃいかん、何かあったら大変だ。という訳で急遽皆さんにDMを送り会場の様子や暑さ&UV対策など「Cat Expoの歩き方」的な資料を共有しました。来年以降も通用しそうな基礎知識としてざっくりまとめると

◎下道は交通渋滞が酷いからタクシー呼んだら「ハイウェイOK!」と言い放ってとっとと高速に乗ってもらう。Grab Taxiを利用すると安心かつ便利
◎会場近くに大型ショッピングモール「Fashion Island」がある。会場入口反対側なので徒歩15分の距離になるが、レストラン/モバイル関連/衣料品/薬局などあらゆるショップが揃いフェス前の食事や買い物をしながらスタンバイできる最強のベースキャンプ。もちろん冷房が効いててトイレも綺麗なのでまずここへ向かうと良い

◎会場には屋根のあるエリアが殆ど無い。日差しと突然のスコール対策に折り畳み傘は必須

といったところでしょうか。後は持ち込み制限とかフェス飯の値段の相場とかですね。

初日開幕。そして元FEVERメンバーと再会

11月12日。開場は午後2時ですが30分前に入場受付を済ませるため同行のコーヒーセッションさんとゲート前で待ち合わせ。季節的に冬とはいえ30℃超えの暑さと強すぎる日差しで既に汗だくですが、気合で取材を全うする覚悟です。今回僕たちはプレスとして入場するんです。職種は違えど、タイのカルチャーを日本に紹介する仲間。しっかり体験しましょう!

首からかけるプレス証、左手首にはバックステージ以外OKのオールエリアパスとなるリストバンドと(今回のスポンサーであるLEOがビールも販売するため)飲酒可能エリア入場用リストバンド。首には更にニコンの一眼レフ、肩掛けのバッグ2つは交換用レンズやさっきFashion Islandで買った充電ケーブル(忘れて来たので慌てて買った)などでパンパンになっています。これから物販も買うっていうのに既にこんなに重くていいのか?

さぁ、いよいよ入場です!

エントランスは道路挟んだ反対側
地下道を抜けるうち期待が高まる。ナイス演出

Cat Expoのシンボルがこの観覧車(残骸)。フェスのお祭り感を演出するのにひと役買っています。僕は日本でも観覧車を見るとCat Expoに来たような錯覚を起こします。

それじゃまずはCat Expo初体験のコーヒーセッションさんに会場内を回るコツなど教えようかなぁ、と思ったら・・・

いきなりCat Radioブースのトートバッグバーゲンに捕まるコーヒーセッションさん(笑)。全く進みませんが、思えば僕も初めてCat Expoに来た時そうだったなぁ。この人の買いっぷりは見てて気持ちいいから邪魔しないでおこう。でも荷物が増えると大変だよ~。

そこへ僕たちの到着を知ってやって来たGMM傘下の音楽レーベルSummer Disc Music Labelの社長が「はいおみやげ」と言ってタイの調味料を沢山くれたので僕の荷物も増えた!(笑)

タイのシーズニングパウダー(味の素製)。スパイスの配合が少しだけ違うのか、そこはかとなくタイ風に仕上がります

各ステージや飲食ゾーンを案内しながらコーヒーセッションさんと開演前のステージ3へ向かいました。この日のステージ3の幕開けはラストアイドルの姉妹グループLast Idol Thailandですが、オープニングMCをDJ Sonnyが担当します。彼を訪ねるのが僕のもうひとつのミッションです。

TBSラジオ「アトロク」でFEVERをさんざん推してきた僕としては、番組を聴いてFEVERのファンになり、最後のアルバムまで購入してくれたリスナーの皆さんに「メンバーのその後」を、そして元メンバーたちには日本のファンの想いを伝える責任があると思っていました。メンバーのひとりBossはFEVER解散後、Cat Radioのスタッフとして働いています。

先月Sonnyと名古屋で会って以来LINEでやりとりしていたので、思い切って「ねぇSonny、もしBossも当日会場にいるなら紹介してくれる?日本でもFEVERのアルバムが発売されて完売したのを直接伝えたいんだけど」と訊いてみると「あぁ!なら彼女は僕と一緒に土曜日のオープニングMCをするから開演前にステージ脇まで来てよ」と返事が。やった!

ステージ3の出演者控えテントに行ってみると・・・

いたいた!SonnyとBossだ!あれ?もう一人女の子いるけどもしかして・・・

Spamだー!!

Sonnyが気が付いて、2人を連れてこちらにやってきます。

Sonnyが紹介してくれて、僕は少しドギマギしながら名刺を渡し(アイドルに名刺渡すなんて初めてだよ!)日本のラジオでFEVERを何度もかけたのでFEVERファンが日本にも大勢いること、アルバムも日本で6月に発売されて完売したことを伝えました。どちらにも2人は驚き、喜んでいました。その後に撮ったのがこの写真です。にっこりスマイルでポーズをとるBossもキュートだけど、クールなキメ顔でしっかり指でFEVERサインしてくれたSpamもキュート。さすが元アイドル、今はCat Radioで働く2人でした!

その後3人はステージに上がり、Cat Expo 9の開幕を宣言。Last Idol Thailandの紹介を行ないました。

そしてLast Idol Thailandのステージが始まりましたが、その母体である日本のラストアイドルFEVERも「コロナ禍によるイベントの中止などの影響」という全く同じ理由で活動を終了しました。

しかし今、こうしてラストアイドルはタイに姉妹グループとしてその血統を残し、それをかつてアイドルだった女の子が観客に紹介する・・・。

僕はその光景を目の当たりにして感じました。

アイドルポップスはどんなことがあっても滅びたりしない。それは常に新しいアイドルとそのファンが生まれ続けているからだ、と思っていたけど・・・それだけじゃない、アイドル自身が想いを込めてその血を受け継いでゆくからなんだ、と。

ステージを去ってゆくBossとSpamの2人の表情には「私たちの分まで頑張ってね!」というFEVERとしての想いがあふれているように見えました。

今回はここまで。次回はいよいよ初日に登場したアーティストと、各エリアの模様をお伝えします!

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