切なく寄り添うタイポップ。Lukpeachは必ず「くる」

タイ音楽
Cat Expo 5にて

山麓園太郎です。サワディーカップ。
今日はタイポップのシンガーソングライターでぜひ皆さんに知って欲しい女の子のことを書きます。

名前はLukpeach(ルクピーチ)。TVの人気オーディション番組「The Voice Thailand」出身です。もちろんそれを知っていた訳ではなく、初めて彼女を見たのは行きつけのCDショップのフェイスブック投稿でした。

タイのインディーズを数多く取り扱うこのショップには、アーティスト本人が納品に訪れる事も珍しくなくて、僕がよく見る写真のワンオブゼムなんですけど、今回なんだか可愛い(笑)、と画面をじっと見まして。

人懐っこそうな笑顔は素朴にも見えるのに、よく見ると指にはタトゥーが入ってるからいよいよこの子がどんな子なのか判らなくなりまして。ほんわかムードのジャケ写を見る限りアコギの弾き語り系か?いやまさかロックなのか?う~ん??

ともかく!
タイポップに関しては「気になったら買っとけ」がモットーですから上の写真でご覧の通り、僕その場でレス付けたんですよ。
「ねぇちょっと気になるんだけど!」
「1枚とっといて!来週行くから!」
そう、タイへプライベート買い物旅行に行く数日前のことでしたよ。

旅の直前ですから準備に忙しくて、YouTubeで調べることもなくそのままタイへ。試聴もせずお店で買いました。

「Nong Taprachan」。今や日本ではなかなかない個人経営のCDショップ
ウィッシュリストを送っておいて、その他はお店の棚を掘りながら・・・というのが僕のタイポップ探検スタイル。これでも抑えた方ですが23枚。上段右から2枚目がLukpeach

で、日本からCDウォークマンを持って行ったので宿泊先で順番に聴いていたら、このLukpeachで「おぉ?!」となった。予想を超えて良過ぎる!!

打ち込み系だけど耳当たりが良くてチルアウトなバックトラック、そこに滲みながら寄り添う彼女の囁くような、でも力強いヴォーカル。ベースやドラムスの音色が曲ごとに全部違ってるのに、全曲通して聴いた時の印象は一つにまとまってる。この1枚、才能の塊じゃないか!

僕がラジオ番組にゲストで出てタイポップ紹介する時というのは「買って、帰国して、聴いて、選んで」なんですが、今回ばかりはもう滞在先のホテルの部屋で放送に使うと決めました。帰国前日の日の朝でした。ヘッドフォン置いて、すぐさま本人にアポなし連絡を。

帰国便の機内でもずーっと聴き続けて、日本に着いてすぐ質問を送りました。

そして放送で「High」を紹介した際のインタビューがこちら。

LukpeachはThe Voice Thailand(TV番組)出身の女性シンガーソングライターです。彼女の曲はダンサブルなドラムキックやEDMの影響が色濃いシンセ・サウンドを使いながらも、聴く者を温かく包み込む静謐な優しさに満ちています。この曲を含む5曲入りEPがあまりに素晴らしいので本人にいくつか質問をしました。
山麓:TV番組出演前の活動はどんなものでしたか?
Lukpeach : 遊ぶ時はいつもハミングしているような子供でしたから、ずっと歌は好きでした。ミュージカルに興味があり18才から色々なオーディションを受けましたが落選続きだったので、「The Voice」がタイで始まった時に最後の挑戦のつもりで応募したんです。これでダメなら、歌は単なる趣味にしようって。そしてそこで勝ち抜いた事で人生が変わりました。当時は自分に作曲が出来るとは思っていませんでしたが、ギターとピアノ、そしてタイの楽器は習っていました。
山麓:影響を受けたアーティストは?
Lukpeach : Destiny’s Child、Beyonce、Justin Timberlake、Yuna、Honne、PREP、Lianne la Havas、Maggie Rogers、Tom Misch、RHYE、Ariana Grande などです。
山麓:曲を書く時、頭の中に完成形のイメージはありますか?というのは、このEPに収録されている曲のアレンジがどれも素晴らしかったからなんですが。シンプルな編成だけれど、ドラムのキックはシンコペーションを多用して曲をドライブさせているし、キーボードやベースの音色も曲ごとに変えていて、しかもそれが「この曲にはこの音色でなければならない」という、選び抜かれたものになっています。全てがあなたの声と完璧にフィットしていました。
Lukpeach : 作曲はギターやピアノを使ってしますが、細部までイメージして作る事はなくてプロデューサーにお任せしました。でも今回のレコーディングで経験を積んで自信もついたので、次回は頭の中にある音をもっと具体的に伝えられるようになると思います。

という訳で、素晴らしい声を持つシンガーと才能溢れる制作チームとのコンビで生まれたこのチャーミングな作品「Lukpeach」、ぜひ全曲通して聴いてみてください。
(2018.09.20 やしの実FM/FM豊橋「ラビット・アワー」小川真一/竹内竹蔵  ゲスト:山麓園太郎/Naomi 「アジアン・ポップ特集」より)

Music Video「High」。浮遊感のあるスローナンバーなのにグイグイ引き込まれるのはドラムのビートに秘密が

放送の2ヶ月後にはタイで音楽フェス「Cat Expo 5」があり、それに合わせて新曲「Judge」を発表。この時は放送を通じてLukpeachに注目した人気ブロガー「タイ人になりたいよしだ」さんがステージを見た後 Lukpeachに初対面で突撃インタビューを申し込む、という離れ業をかまし、見事に同性の視点からの貴重な話を記事に実らせていらっしゃるので、ぜひご一読ください。(文末にリンクを貼っておきます)

僕がノックアウトされたミニアルバム「Lukpeach」のアレンジャーはFOLK9の Boripat Saengsiri 、それ以降の2曲「Judge」と「Still」はそれぞれ別のチームによる制作体制ですが、前作のイメージを引き継いだ仕上がりになっているのはLukpeachが僕のインタビューで最後に語ったように、彼女自身が曲のイメージを明確に伝える力を得たこと、そしてチームも彼女が最高に輝くアレンジを各々熟知していた結果ではないかと思います。

ダンサーとしてのキャリアも持つ彼女の魅力が垣間見えるMusic Video「Judge」
わたしまだ「それ」を繰り返してる/貴方との思い出はまだ透き通ってキレイ/わたしまだ貴方を見続けてる/たぶんわたしまだ貴方に恋してる、という歌詞が切な過ぎて、男子も油断してるとあっという間に涙ぐむ(男子の方がむしろこうやって恋を引きずりますよねー)と評判のMusic Video「Still」

英語で書かれた曲が多く、すぐにワールドワイドに活躍できる可能性を秘めていますが、実は日本語も話せる彼女。僕としてはぜひ日本からブレイクして欲しい。レコードレーベルやライブハウス、音楽フェス関係者の皆さんには会う人会う人に真っ先に紹介してるので、いつか日本盤デビューと来日公演はきっと実現する、Lukpeachは必ず「くる」!と信じています。aikoさんや古内東子さんや竹内まりやさんのファンなら好きにならずにいられない、という感じがするんですよね。

待望の新曲「Enough」は2019年7月5日にデジタルリリース予定、12日にはMusic Videoも公開されるそうですからお見逃しなく。もう皆さんも日本で会いたくなってますよね?彼女のこと、覚えててください。そして待っててください!

https://music.apple.com/jp/album/lukpeach-ep/1322869541?mt=1&app=music&at=1001lRmE
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コメント

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