TBSラジオ「アフター6ジャンクション」にSTAMPと僕が出演。初夏に聴きたいサバーイなタイポップス特集

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ。

2022年のタイフェスティバルのテーマは「T-POP」。オンラインでの開催ですが、逆に実際に呼ぶ場合の費用がかからないもんですから、これでもかって言う位豪華な出演者が沢山決まり、日本中のタイポップスファンとタイドラマファンが「タイがいきなり全力出してきたー!」と大騒ぎ。僕もです。

詳しく書くのは別の機会に譲りますが、僕今回のタイフェスティバルの広報のお手伝いをするミッションをタイ大使館から受けて忙しくしていたのですっかりブログ更新が止まってました。ごめんなさい!僕の広報活動の一番の山場が「アトロク」出演でした。しかも折しも来日中のタイのスーパースターSTAMPを僕の前の時間帯にブッキングするというミッションでした。

渡航に関する制限が一足先に緩やかになってきたタイからSTAMPが来日する話は結構直前になってから僕の所に舞い込んできました。彼は日本のavexと契約してますから、タイフェスティバル2022でもSKY-HIさんとコラボするし、他の計画も水面下で動いてるので2年半ぶりの来日になったんです。

偶然タイフェスティバル2022の前に「アトロク」出演が決まってた僕はTBSラジオにSTAMP出演を持ちかけてみて、「ぜひ!」と言われたので今度はavexに話を持ちかけましたが、その際「STAMP本人はどう思ってます?ラジオの生放送出演となると拘束時間も長いし、仕事詰め込み過ぎにならないですか?」と念を押しました。僕と奥さんは2018年の名古屋タイフェスに彼を呼んだ時、PR案件でかなり彼の負担を増やしてしまった事を悔いていたんです。

でも2年半ぶりの大好きな日本行きでテンション高めのSTAMPから「ぜひ!」と返事がきたので安心してブッキングを完了し、僕と奥さんは新幹線の切符と泊まる宿の手配に取りかかりました。そう、コロナ禍でずっとリモート出演だった僕もついにTBSラジオのスタジオに行く事になったんです。STAMPと会うのも3年振りなので僕と奥さんでSTAMPと待ち合わせて一緒にスタジオ入りしよう、と。

僕がモッズ+ヒッピーなファッションで行こうとしてるのに奥さんがムーミンのリトルミィのような恰好で部屋から出て来たので「ちょっと待った。今回はSTAMPを呼んだ音楽事務所社長としての立場で東京の大手ラジオ局に行くんだからその服はないだろう。スーツを着なさい!」とか言ってるうちに元アパレル店員の血が騒ぎ、ピンバッジなどを取り出してコーディネートが始まり、

「いったい何の会社だ?」という仕上がりに。2人でTBSの玄関に到着すると守衛さんに「お約束でしたら中のソファでお待ちください」と言われたので間違いなくタレントとマネージャーに見えたんでしょう。いや実際そうだけど。

avexの担当さんと通訳さんと奥さんのニューさんを連れてやってきたSTAMPは変わらず元気そうです。おみやげにスーパーマリオのチョコエッグと、名古屋の青柳総本家が出した期間限定の「スライムういろう(ドラゴンクエストウォークとのコラボ商品)」をあげました。今回の来日ではどうやらUSJの「スーパー・ニンテンドー・ワールド」には行けないみたいだけど僕が愛知に今秋オープンするジブリパークの話をしたら興味津々な様子だったので次回はハシゴするんじゃないかな(笑)。

役員応接室(!)で番組ディレクターさんと挨拶もそこそこに打ち合わせが始まり、あっという間にSTAMP出演の時間です。

STAMPは今回のタイフェスティバルの話や今注目のアーティストとして新世代ラッパーAUTTA(アッター)の「ANTLV(another level)」を紹介していました。

STAMP、さすがプロフェッショナル。日本のラジオ番組にこうして出演しても必ず日本語を交えたトークでスタジオを沸かせています。彼は音楽面だけにとどまらず、エンターテイナーとしての実力もとても高いのです。ジョージ・ベンソンに匹敵すると思う。

彼の出番終了。STAMPお疲れ様、ありがとう!

さぁ僕も頑張らないと!STAMP御一行をお見送りして、今度は僕の出番です。このブログでは放送からこぼれたネタなどを紹介する事にしましょう。

Paintbrush「Young Soul」(2022)

サムネイル左上から時計回りにFroy/Baimon/Fahsai/Bo

FEVERの中でも特に日本式アイドル的な属性が高かったFroyとBaimonにはピッタリの方向性。しかもヒネリが効いているのはevening cinemaの原田夏樹さんが提供した曲を日本語歌詞で歌うという意外性。スタジオでもこの曲が流れた途端にスタッフの皆さんから驚きの声が上がりました。僕は動きまくりのベースラインと「優等生演じてた」の「た」にエコーがかかる所、「雨の中で」の後に「ハッ!」という掛け声が入る所が好きです。では放送のために行なったインタビューの完全版をお届けしましょう!

山麓 : 皆さんアイドルが好きだと思いますが、一番好きな日本のアイドルを教えてもらえますか?

Bo :(原文ママ) 自分はアイドルもすきですが、J-POPが大好きです。好きなアーティストはSEKAI NO OWARI、YOASOBI 、Omoinotake、NISSYさん(西島隆弘)(など)です!

Froy : 欅坂46(現櫻坂46)の平手友梨奈さんです。

Fahsai : 特に好きな日本のアイドルはいないんですが、もし誰かひとり挙げるとしたら声優の花澤香菜さんです。彼女のライブパフォーマンスや歌が、可愛くて魅力的なルックスと同じくらい素敵だったので。

Baimon : BiSHとわーすたです。

山麓 : 日本のアイドル雑誌や写真集はどこで買いますか?

Bo : (原文ママ) アニメイトときのくにやです!バイモンによく誘われて一緒に行きます。笑
※山麓注:タイにはアニメイトと紀伊国屋書店が進出していて、翻訳版と日本版で日本のマンガやライトノベル、アニメDVDやキャラクターグッズを販売しています。

Froy : 紀伊国屋です。

Fahsai : あまり買った経験は無いですが、もし買う時にはオンラインか公式のウエブサイトを使いたいです。

Baimon : 紀伊国屋です。

山麓 :(BoとFahsaiに質問)韓国やタイと比べた時に、日本文化が特別だと感じる点はどこですか?

Bo : (原文ママ) 日本の文化がかわいい~(っ ॑꒳ ॑c) 特に誰かが帰ってきたら「ただいま~」「おかえり~」って言うことがかわいくて大好きです。言われたら、心が癒されちゃいます💗(韓国人は言うかどうかわかりませんがタイ人は言いません( -˘ -˘))

Fahsai : 日本とタイの文化を比較すると、最も記憶に残るのはきちんとしていて親切な所だと思います。私は、アニメーションや音楽、アート、食べ物、ファッションスタイルなど日本の多くのものに憧れてきました。そして日本は美しいパッケージとロゴのブランディングでも知られています。これは私が見逃せない、日本のもう一つの側面です。

山麓 :(FroyとBaimonに質問)FEVERとして活動していた中で、一番の思い出は何ですか?

Froy : 一番の思い出はステージから見た光景です。あそこから、集まってくれたファン全員を見るのは、世界で最高の事でした。

Baimon : (原文ママ) やっぱりステージでFEVERの曲歌ったり踊ったりが思い出になりますね、
あとはメンバーのみんなと過ごす時間が好きです、みんな相性良くて一緒にいると楽しい
いい思い出でした。

日本語で答えを書いてくれたメンバーがいる位ですから、きっと日本に来てもライブのMCでしっかりファンとコミュニケーションできそうですね。日本に呼びたいっていうイベンターの皆さん、ぜひ連絡ください!

後半はタイフェスティバル出演者を中心に選曲しました。特にタイドラマの俳優さんの曲をBGM含めて多く選んだのは、これこそがタイのメジャーレーベルのサウンドで、僕が普段紹介するインディーズ系とまた違った面白さがあるからです。

Bright-Dew-Win-Nani「Who am I」(2021)

GMMレーベルの楽曲にはどれも、アレンジや音の配置にJ-POPとK-POPの要素が香っています。キック(バスドラム)の強さはK-POP、ギターソロは90年代J-POP、オケに対して4人の歌のミックスが大きいのも日本的ですね。洋楽をベースに、時代の流行の中でも特に影響が大きかった日本と韓国のポップス制作の方法論が社内に受け継がれてきたのではないかと思います。Music Videoへのお金のかけ方もインディーズとは雲泥の差。こういう曲がドラマのOSTだとか俳優さんの歌唱だとかという括りを飛び出して、平日の夜たまたまラジオ聴いてるタイドラマ見たことない人の耳に届く事が、タイポップスが広まるためにとても大切だと信じているので選びました。

Hers「It’s A Match」(2022)

Hersは僕のお気に入りのバンドのひとつで、2017年にライブを見て3人のハーモニーの美しさに魅せられました。「私たちまだお互いの事何も知らないけど、なんだか相性良さそうだし、お互いフリーなら・・・一晩過ごしてみる?」という大人な歌ですが、その一方「あなたは100万人の中から見つけた1人」とか「私があなたの事毎日笑顔にさせてあげる。ねぇ、毎日だよ」という一途な気持ちも秘めたチャーミングなラブソングです。ソウルフルでグルーヴィなベースラインも聴きどころです。

neptember「Spinach」(2022)

彼女はどこのレーベルにも所属していないインディーズで、これまでは仕上がりとしてはかなりラフなデモに近いシティポップ調の音源をYouTubeにアップしていましたが、歌声とメロディ作りのセンスに何か光るものを持っていました。この曲でいきなりオールディーズなムードに寄せて来たのは意外でしたが、急に音作りのグレードが上がったので今後の活動に期待しています。

Zom Marie feat.The Parkinson「หากว่าเราไม่คิดถึงกัน(If We Don’t Miss Each Other)」(2022)

90年代にはJ-POPにもこういう男女デュエットのヒット曲がありました。「世界中の誰よりきっと」とか「渋谷で5時」とかね。そのあたりを思い出させる、新曲なのに何だか懐かしく聴こえるナンバーです。ちなみにMusic Videoに登場する女性は「アトロク」と「スッキリ」で紹介されて日本のシティポップファンにはちょっと知られる存在となったmindfreakkkです。

最後にライムスター宇多丸さんと日比麻音子さんと僕で、おみやげに渡したFEVERのアルバム(放送で日本発売の予約告知をしましたが、放送の翌朝には完売してしまいました)とPlastic Plasticのアルバムを手に宣材写真を撮ってもらって、初のスタジオ生出演が終わりました!

また次回もサバーイなタイポップスを沢山紹介できたらと思っています。放送のトーク部分とオンエア曲/BGMが番組のSpotifyプレイリストで公開されていますのでぜひ聴いてみてください!

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