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タイのポップスターと雑談する – TELEx TELEXs

タイ音楽
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山麓園太郎です。サワディーカップ。
今回の雑談シリーズ、お相手は 今年(2019年)のサマーソニック東京に出演が決まった「近未来だけどレトロなエレクトロポップ」テレックス・テレックス(TELEx TELEXs)です!
※2019/5/5の記事に加筆しました。

TELEx TELEXsとのご縁は2017年1月からです。YouTubeで偶然彼らの代表曲「渋谷」を見て、レトロフューチャーなMVの舞台と曲調にすっかり夢中になってしまったんです。

TELEx TELEXs – SHIBUYA【Official Video】
種としての人類の寿命が折り返し点を過ぎ、音楽も一度は無人演奏に行き着いた後の世界で、再び人間の演奏する音楽がアンダーグラウンドシーンで流行り始めた・・・そんなイメージでした

そして番組で「渋谷」を紹介する事になり、インタビューをしました。そこから彼らの音楽嗜好が垣間見える部分を抜粋で。

TELEx TELEXs : 私たちはこのバンドの音楽をエレクトロポップ/オルタナティヴと考えています。もしも80年代的な印象をあなたが抱いたとすれば、それは曲の中にちりばめたその時代のサウンド(80年代風のシンセサイザー等)のせいでしょう。
もちろん、新しい音楽を創ろうとしていても70~90年代の音楽を聴かない訳ではありません。私たちの好きなアーティストはKool and the gang, EW&F, Chicago, Michael Jackson, Stevie Wonder, Bee Gees, New Order, Daft Punk, Kraftwerk,The Cure 等沢山あります。もっと新しいものならChvrches, Breakbot, Shura, Chromeo, Disclosure, Fickle friends, The weekendが好きです。
山麓 : 日本のアーティストでは?
TELEx TELEXs : 山根麻以, 山下達郎, 大橋純子, X Japan, TOE, Indigo la endです。

その翌月、音楽フェス「Cat Expo 3D」で僕は初めて彼らのステージを見て、所属レーベル(ワーナーミュージック・タイランド)の偉い人を交えて日本進出の可能性について打診されたりしたので正直に「僕はローカルFM局の、しかもお呼ばれゲストDJで、日本のレーベルやマネジメントは知らないんですゴメンナサイ!」と答えたんですけど、これは僕にとって

「今までタイポップ好きだ!っていうパッションだけで突っ走ってきたけど、このままでは単なる僕個人の趣味で終わっちゃうなぁ」と痛感した出来事だったんです。

Cat Expo 3D(2017年2月)にて

「僕はタイ語が話せないから込み入ったビジネストークが出来ない。だけど、パッションだけで築き上げた交友関係がめちゃめちゃある。この人とあの人は繋がってそうに見えたのに実は面識無いんだって。僕が間に入って紹介したら、あとは2人で面白い事始めるんじゃないか?」

まぁ今のこの「なんか一見凄い人っぽいけど、実態はただ顔が広いだけの単なるタイポップ好き」っていう活動スタンスの原点だったんですよ。日本に帰ったらあちこちへ出かけてコネだけは作っておこう。いつか誰かに紹介できるかもしれないから、と。まるで手動マッチングアプリだなぁ。

そして帰国後。ワーナーミュージック・タイランドからメールが届きました。いくつかの質問とともに書いてあったのは「インタビュー映像が欲しい。日本語でOKです。明日までに送ってもらえますか?」
えー?!

ちょっと待って、そもそも僕でいいのか?そして明日って何だよ。マイペンライと微笑みの国だよね?締め切りとか緩そうなのに。あああ明日?!もう収録スタジオに行く時間もありません。自宅でスーツ姿に着替えて白い壁をバックに、三脚に据えたデジカメで自撮りです。その時の原稿がスマホの奥底から出てきましたので一部分だけ。

Q : TELEx TELEXs のどこに魅力を感じましたか?
A : 最初の印象は1980年代のSynthesizer Popのようでしたが、繰り返して聴くうちに、生演奏によるemotionalな表現がsoundの大部分を占めている事に気が付きました。そして、何よりもVocalのAomさんの歌が素晴らしいです。Pitch(音程)とbreath(息継ぎ)のcontrol能力が高く、またこのバンドのサウンドにピッタリの質感を持った声だと思います。
Q : TELEx TELEXs を、日本の同じスタイルのバンドと比較した時に、一番の違いは何でしょうか?
A : 彼らは曲をアレンジする上で、同世代のバンドであれば当然聴いてきたであろうHouse Music や EDM からの影響を避けているように思います。バスドラムのキックには常にシンコペーションがありますし、アグレッシブな音色も使いません。そこから感じるレトロなムードが一番の違いでしょうか。またライブ・パフォーマンスでは、単なる原曲の再現ではなくもっと自由な演奏が行なわれる事もあります。その即興能力の高さも、彼らを他のバンドとは違う存在にしていると思います。

僕は未見ですが、その映像を使ってワーナーは海外向けのプロモーション資料を作ったようです。おそらく「日本の音楽関係者も注目」といった使い方だと思いますが。そしてなんと台湾ツアー(初海外公演)の話がまとまってしまいました!

派手なスーツでいかにも有名人みたいに(というか派手な服しか持ってないから、どうやってもそうなるんだけど)見えた僕の映像が3%、それを見た台湾の人の親日感情による若干のバイアスが6%、そしてもちろん91%は彼らの音楽そのものが台湾ツアーを実現に導いたんだと思いますけど、いずれにせよ、これでモチベーションが上がりまくった彼らは快進撃。音楽賞を獲るなどして一気に成功への階段を駆け上がっていきました。

2019年4月。タイ滞在中の僕と社長が借りているコンドミニアムに、ヴォーカルのAomとギターのNowがクルマでやって来ました。「タイのローカルレストランで、夕ご飯食べない?」というお誘いです。社長はこの時、翌日医者に駆け込む事になる体調不良と戦闘中で、残念ですが僕だけ乗車です。クルマは郊外へ。

超ローカルなエリア。英語の看板なんてひとつもありません。
昭和の大衆食堂みたい。これは期待大!
メニューも完全タイ語。注文は2人におまかせしました

Aom : 辛いのは平気?
山麓 : ちょっとだけだね(笑)(本当はイサーン料理でも食べられるけど、油断するとむせちゃうし、ガツガツ食べたい人なので)

最初に出てきたのは魚の塩漬け?これも辛いそうです。

Aom : ちょっと挑戦してみる?

early local dinner

僕に気を使って辛くない料理も頼んでくれました。プーパッポンカレーや天ぷらが美味しい!

僕が訊いてみたかったのはやはりFEVERの事です

山麓 : 今FEVERに注目してるんだ。ヴォーカルの先生が君だもん、良くなるに決まってるよ。
Aom : ふふふ。ありがと。
山麓 : でもレコード会社は別々だよね。どんなきっかけで関わる事になったの?
Aom : チャルーム(Chalerm。FEVERの音楽ディレクターで、自身もGym and Swim等で活躍)からFEVERのプロジェクト立ち上げに誘われたの。「新しい事に挑戦してみない?」って。POLYCATのPure Watanabeも同じように誘われて。
(山麓注 : タイでは所属レーベルの枠を超えた共演がしばしば行なわれます。契約面での自由度はかなり高そうです)
Aom : チャルームは日本のアイドルにとても詳しいの。FEVERにはピッタリでしょ?
山麓 : うん。アイドルなのに楽曲がエレクトロポップなのがいいんだ。今夜Cat Radioで新曲が初オンエアされるじゃない?楽しみなんだよね。
(この日、FEVERは新曲をCat Radioで初放送。FEVERのメンバーも生出演しました)
Aom : 誰推しなの?
山麓 : Baifern。

FEVER – PASSWORD「Official MV」
この日の夜発表された新曲「PASSWORD」は80年代シティポップを思わせる曲調で、他のアイドルグループとは一線を画しています

山麓 : Baifernが80年代J-POP好きでさ、DJ Sonny(Cat RadioのDJ)やNa POLYCATにレコード持って行くついでだったから彼女にも訊いたんだ。そうしたら「松田聖子と中原めいこと竹内まりやが欲しい」って言われて、それも持って来てね。
Aom : へぇ!
山麓 : それで実はDJ Sonnyから「今夜スタジオに来て直接渡せば?」って招待されてたんだけど・・・断ったんだよ。
Aom : どうして?
山麓 : だってアイドルグループだもの。ファンに対してフェアじゃないな、と思ってさ。
Aom : 「アイドル・ルール」よね。FEVERの場合はBNK48ほどガッチガチじゃないけれど、システムは日本式だものね。でも会いたかったでしょ?
山麓 : 秋にCat Expo 6に出るからね。その時ステージを見るよ。

そこから話題はBNK48、そして日本のアーティストに

Aom : BNK48も好きなんでしょ。誰推しなの?
山麓 : 神推しがKaimookで、次がJibだね。基本DR。(山麓注 : 「誰でも大好き」の意味でDDという言葉がアイドルグループファンの間では使われていますが、僕は「誰でもリスペクト」の意味でDRを使っています。好きとリスペクトはちょっと違うの)2人にも神推しいるの?
Now : 僕は Namneung。
Aom : 私は Khamin。
山麓 : (みんな好きなんだBNK48…なんか家電に例えると「一家に1台」みたいな凄い普及率だなぁ…)じゃあ、アイドルじゃなければ、最近はどんなの聴いてるの?
Now : 日本の音楽が多いよ。THREE 1989 とか、iri とか。
Aom : 私は・・・えーと、言いにくい名前の・・・ぱ、ぱみー・・?
山麓 : きゃりーぱみゅぱみゅ
Aom : それ(笑)それと Suchmos も。
山麓 : Suchmos 好きなら FIVE NEW OLD も聴くといいよ。
Aom : 調べてみる。

タイの音楽シーンについて

山麓 : 僕にも教えてよ。タイのアーティストで今聴いとけ、っていうのは?
Aom : FOLK9はオススメね。
(これも実はFEVER繋がり。メンバーの1人が新曲「PASSWORD」のミックスとマスタリングに関わっています)

FOLK9 – The Waiter [Official MV]

Aom : 今年はとにかくヒップホップが流行ってるわ。それとレゲエね。タイの南部には巨大なレゲエ・コミュニティがあるの。南部は行った事ある?
山麓 : まだない。9回来てるけど、バンコクしか知らないんだ。
Aom : いつか行くといいわよ。あ、だけど南部は治安が良くないから観光地として整備されてる島以外に行くのはやめた方がいいわ。プーケットかサムイなら大丈夫。
山麓 : ジャズとかは?
Aom : タイではマイナーなジャンルね。日本の方がずっとジャズを演奏する場は多い気がする。私とNowは2人とも大学でジャズを勉強してたけど、理論は難しいし活躍するチャンスも少なそうだったからあきらめたの。

渋谷で渋谷が聴きたい

山麓 : 今は音楽ブロガーさんとかライブハウスのオーナーとかミュージシャンとか、アジアの音楽に興味がある人同士で集まってタイポップスを日本に紹介する方法を色々探してるんだ。
Aom : そのブロガーさんって、あなたが紹介してくれた Sayaka (タイ人になりたいよしだ)ね?
山麓 : そう。Cat Expoで最初に会った時から「渋谷で渋谷が聴きたい」(ヒット曲「渋谷」を来日公演で、渋谷の会場で聴きたい)と思ってる。一緒にそう思ってくれる人が増えてるから、まだあきらめてないよ。
Aom : 私達もそれが夢なの。ありがとう!

タイの女の子は小柄な子が多くて、Aomも目の前で見ると顔なんて僕の3分の2しかないんじゃ・・・と思うほど小さいんですけど、ステージに立つと凄く大きく見えるんです。いつか渋谷の会場のお客さんを、この存在感で虜にしてくれる日が来ると信じています。

お開きの時間が来ると、「お願い。ここは払わせて!」と言ってきかない2人。どうやら台湾ツアーの件を今も恩に感じてくれているみたいです。恩を感じてるのは、彼らの音楽に何度もワクワクさせてもらえる僕もなんですけどね。

帰り道はバンコク名物の渋滞でしたが、さすがはバンコクっ子。ナビもなしに裏道を駆使してあっという間にプラカノンまで送ってくれました。

車中でかかっていたのはCharaでした。タイのインディーズ勢はホントに日本の音楽に詳しいです!

また会おうね、TELEx TELEXs。できれば日本で、君たちを客席から見たいよ。

という言葉で記事を締めくくった2週間後、サマーソニック出演が電撃的にアナウンスされました。これまで数回フジロックやサマーソニックを見に日本を訪れていた彼ら自身が、今回の出演決定に一番驚いているそうです。サマーソニックに行かれる皆さん、ぜひTELEx TELEXsのステージをチェックしてみてください。

ยามเย็น โดย TELEx TELEXs 【เพลงพระราชนิพนธ์ลำดับที่ 2】
‎TELEx TELEXsの「Melt Your Popsicle! - EP」
‎アルバム・2017年・5曲

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