TELEx TELEXs 青山公演レポート!

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ。

サマーソニック2019東京に出演を果たしたTELEx TELEXs。その来日日程に便乗する形で僕たちSTUDIO MUSHROOM IRONが企画を提案して実現した、青山「月見ル君想フ」での日本初公演。

このブログでどんな結果をご報告できるか、当日まで全く予測不能でしたが・・・。

山麓園太郎
山麓園太郎

来場者数、109人!偶然にも彼らの代表曲タイトル「渋谷」を象徴する数字です。「渋谷で渋谷が聴きたい!」と言い続けてきた僕たちにはこんな偶然も感動的でした。正確にはお店の住所は港区なんだけど、お隣の区だからOK!

ちょっぴり舞台裏での出来事も含めながら、当日の様子をファンの皆さんにお伝えします。

2019年8月15日。朝から大型の台風10号が西日本に接近、大阪では多数のイベントやコンサートが中止に。僕たちは既に強風が吹き荒れる中、愛知県から午前中の新幹線で東京へ向かいました。

会場に着くと、既にTELEx TELEXsがリハーサルを始めています。

前日の深夜便で、この日の早朝に日本に着いた彼ら。ホテルに荷物だけ置いて会場入りです。床には大量のエアキャップが丸められて転がっています。楽器類は空港から直接運ばれて、ここで開封したようです!

Now(guitar)
Pew(synthesizers)
Aom(voval)
Now(guitar)の足元。音色を変えるための機械(エフェクター)が多数繋げられています
Korn(bass)の足元。音色を変える機械を1台にまとめた「マルチエフェクター」と呼ばれるもの。日本のメーカー「ZOOM」の製品です
Pew(synthesizers)の手元。一番上に積まれているAKAIのサンプラーに各曲で使う印象的な音色を記憶させていました

僕たちもフロアに降りて彼らに挨拶します。Aom(vocal)とNow(guitar)とは4月にバンコクでご飯食べてますが(過去記事「タイのポップスターと雑談する」参照)、Pew(synthesizers)とKorn(bass)とは2年振りです。サポートのドラマーとギタリストも来ています。

Korn(bass)

彼らが所属するWayfer Recordsのボス、Dano氏も来ています。彼とも2年前のCat Expo 3D以来の再会です。ブレイク直後のTELEx TELEXsを海外で通用するバンドにするべく奔走していたDano氏と、タイポップスを日本に広める方法について考えていた僕。彼はTELEx TELEXsをレーベルを代表する売れっ子に育て上げ、僕は日本のライブハウスやレコード会社にタイのバンドを紹介できるようになりました。あれから時間はかかってしまったけれど、ようやくこの日を迎えた2人の思いは同じです。「Nice to meet you again!」と笑顔で握手するだけで十分でした。

タイから来た格好のままリハーサルを終えたバンドの面々は一旦ホテルに戻ってシャワーと着替えです。対バンのFontana Folleのリハーサルが始まると、今度は僕の緊張が高まってきます。

そう、僕も今日は開演前の1時間、DJとしてBGMを担当するんです。今目の前にあるこのDJ機材の数々を触るのも人生初(!)ですが、音響のスタッフさんに操作を2分で教わり、少し練習するとなんとかなりそうなムードになってきました。あとは度胸と勢いだけです(笑)

開場直前。外では横殴りの雨が降り、予約のキャンセルが出るんじゃないかと心配で仕方ない僕は入口の様子を見に行くこともできません。2日前の時点で60人、という情報は聞いていましたが。緊張が過ぎて駆け込んだトイレの中で、こんな天候の中来てくれるお客さんに楽しんでもらうことを考えるしかない、ゴキゲンなタイポップスでお迎えしよう!と腹をくくりました。

1時間・およそ13曲をプレイ。この動画では間をあけていますが、ノンストップで繋げるDJプレイも披露できました。でも緊張した!

SNSで交流のある方々も来てくれていますが、それより多くの知らない人がフロアに次々降りてきます。Fontana Folleが演奏を始める頃には1階はいい感じに埋まり始めました。

僕から引き継いでDJを担当してくれたHAPPFATさんが流石のプロの技でお客さんを踊らせているうちに、楽屋へDJで使ったCDを置きに行くと、ステージへ繋がる階段でAomが壁にもたれて胸に手をポンポン当てています。

山麓:どうしたの?緊張してる?
Aom:凄く。

そりゃそうですよね。夢が叶って初めての来日公演だけど、どの位お客さんが集まるか、自分たちの音楽が日本で受け入れてもらえるか、ステージが始まるまで彼女にもわからないのです。

Aom:日本語のあいさつを忘れないように手に書いたんだけど・・・通じるかな?

マジックで手のひらに書いたローマ字が少し、汗に濡れています。

リハーサルが大きなトラブルもなく順調だったのは見てわかりました。この後お客さんがどの位増えるかは僕にもわかりません。

でも、僕自身驚いたんですが、この青山公演が正式に発表されてから、「TELEx TELEXs、都内でライブあるんだ!」「前から気になってたバンド。生で聴いてみたい」「絶対行く!」という声がTwitterに次々上がり、僕の想像よりはるかに多くの人がTELEx TELEXsに注目していることがわかったんです。だから僕が彼女に言えるのはこれだけでした。

山麓園太郎
山麓園太郎

手に書いてる日本語はバッチリだ。安心して。みんな君たちを歓迎してる。だからリラックスして、これからの時間を楽しむんだよ。いい?

Aomは「わかった!」と答えると、メンバーとステージ袖へ向かいました。

1階は既に満員。お客さんをかきわけて進むと、2階へ上がる階段のところでうちの社長が「2階、凄いことになってる!」と耳打ちします。

2階席にも既に立見のお客さんが!1階と合わせて、どう見ても60人を超えています。しかも仕事を終えて駆け付けた風の人たちがまだまだ入口から入場してくるのです。今すぐにメンバーに知らせに行きたいところですが、ステージが暗転して青い闇の中にメンバーのシルエットが浮かび上がりました。開演です!

2年前に「日本でライブがしたい」って言われてから、これは僕と君たちの共通の夢だと思ってた。それだけじゃなかった。ここに今日集まってくれた人たちにも夢だった。
行け、TELEx TELEXs!派手にぶちかませ!!

大ヒット曲「渋谷」のイントロが流れるとひときわ大きな歓声が!

演奏中にも次々お客さんが入場しましたが、なんとPlastic Plastic/Gym and SwimのPokpongやタイフェス東京2019に出演したロックバンドZEALのPexもいました!ちょうどサマソニを見るために来日していたところで、TELEx TELEXsの応援に駆けつけてくれたようです。

お客さんも終始踊りっぱなし。
見てください、この盛り上がりよう!

終演後、メンバーは物販コーナーへ。日本公演のために作ったTシャツが飛ぶように売れていました。CDはごく少量しかなかったため早々に売れてしまい、サマソニ出演の余波もあって週末には都内のタワレコでも売り切れとなったようです。この日本盤CDのリリースも僕たちの提案で実現したものだったので、売り切れの知らせにはとても感激しました。

それにしてもメンバーは全員タフでした。早朝着のフライトで来日してライブをこなした挙句、帰り際には「歌舞伎町行ってみたい!」とか言ってましたよ(笑)。本当に行ったかどうか知らないけど、翌日はお昼に起きてサマソニを見に行き、次の日には自分たちの出番だったんですから凄いですね。

さて。今回のライブが満員御礼の大盛況に終わった陰には、ある秘密がありました。

実は7月末の時点では、予約チケットが15枚しか売れていなかったんです。というのも、このライブの情報がごく一部のアジア音楽ファン層以外には殆ど伝わっていませんでした。ところが、僕たちの友人でもある台湾の音楽シーン情報ブログ「Tapioca Milk Records」さんが、告知に関するアイデアを提案。それに乗っかったアジア音楽好きの同士が更にアイデアを寄せ合い、即席広報チームが自然発生したのです。中には僕が適当に思い付きで発言したことまで含まれていましたが、それらが実際に形になると次々とジャストミート。冒頭で書いた通り最終的に来場者数は109人に達しました。2週間で予約が60枚まで伸びたうえに当日券で入った方が40人以上いた、という結果が出たんです。

この日のお客さんは大変ノリも良かった上に、お店はもともとドリンクとフードが評判なものですから実に沢山の注文が入ったようで、

お店も出演者もお客さんも全員ハッピーエンドだった、という理想のライブとなりました。これは他の来日アーティストのみならず、日頃集客に苦戦しがちな日本のインディーズバンドにも応用が利くアイデアなんじゃないか?という訳で、Tapioca Milk Recordsさん自らがnoteにまとめてリリースの運びとなりました。ぜひご一読いただければと思います。

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関係各位にはいくらお礼を言っても足りません。そしてライブに足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。実は今でも「どうやってTELEx TELEXsを知り、ファンになったの?」ということを皆さんに訊けないままです。このブログや僕のSNSに、答えをお寄せいただけたら嬉しいです。山麓園太郎でした。

コメント

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