タイからやって来るVINIを徹底解説!

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ!

ここまで連続でタイの音楽フェス「Cat Expo 9」のレポートを書いてきましたが、急遽VINIについて書くことにします。

既に「VINI タイ」などのキーワード検索で僕のブログに来てる方も多いんですが。そう、「タイのテクノポップバンドVINI、初のEP日本盤7インチ発売とリリースパーティーの開催が決定!」というニュースがここ数日音楽界隈のニュースサイトで話題に上りました。

が、VINIの経歴や詳細についてはまだあまり情報がないんですね。

公式にアナウンスされているのは「元アイドルという異色の経歴」そして「沖縄で行われるMusic Lane Festival Okinawa 2023への出演」及び「東京・青山月見ル君想フでの7インチリリースパーティー開催」この3点ですが、

この中で「異色の経歴」とされている元アイドル、それが僕がさんざんこのブログでデビュー直後から推しまくったあげくTBSラジオ「アフター6ジャンクション」(通称:アトロク)で電波に乗せて日本中にお届けしたFEVERです。異色の経歴に関しては僕が日本一詳しいのか?もしかして(笑)

このブログのあちこちに散らばってるFEVERとVINIの情報を今からここで総まとめしますからね、ぜひ沖縄か東京で生で見て欲しいし、7インチも沢山売れると良いなぁと思います。じゃ行きましょう!

VINIの前にFEVERがあった

FEVERは2018年結成、2021年に活動終了したタイの楽曲派アイドルグループです。当時タイでは日本式アイドルが新しいトレンドになっていて、アキバ系/カワイイ系のグループが次々デビューしたんですがFEVERは欅坂インスパイアのビジュアルとエレクトロ/シティポップ路線の楽曲で他のタイのアイドルとは一線を画していました。VINIの2人Beam(DJ/vocal/keyboards)とPly(bass/vocal)はこのFEVERで結成から活動していたメンバーです。下で紹介する「Ghost World」のMusic Videoで早速ベースを弾くPlyの姿が確認できますが、ひたすら明るくてけなげな楽曲があふれていた当時のタイのアイドルシーンに、デビュー2曲目にしてこんなチル味の強い楽曲をぶっこんできたのは驚きでした。夜ではない閉じられた世界の陰に沈みながら希望を失わない少女たちの強さ。このMusic Videoに残された光景は今思うとVINI誕生の種だったような気もします。

Ply(パーイ)は双子の兄の影響で洋楽に興味を持ち、その兄と組んだバンドでベースを弾くようになったそうです。タイのラジオ局にFEVERで出演してメンバーのお気に入り曲をかけることになった際にはParamoreの「Misery Business」とGorillazの「Feel Good Inc.」をリクエストしてます。

Beam(ビーム)は文化服装学院タイ校の卒業生でデビュー曲「Start Again」の衣装デザインも担当。この「制服の上に学校指定のジャンパー羽織ったようなリアリティあふれる衣装」もこれまでのタイのアイドルシーンには無かったものでした。前列右端がBeam。彼女がタイのラジオ局にFEVERで出演してメンバーのお気に入り曲をかけることになった際にリクエストしたのはThe Smithsの「There Is A Light That Never Goes Out」とThe Waltersの「I Love You So」でした。

※写真はタイのサイトbeartai(https://www.beartai.com/lifestyle/entertainment/298920)から転載

VINI誕生、そして来日

FEVERは2021年、コロナ禍でイベントなどが行なえなくなった影響で活動終了。しかしタイのインディーズシーンを牽引する有名ミュージシャンで構成されていたFEVERの音楽制作チームが「活動終了後の次の一手」として繰り出したのが今回来日するVINIなのです。僕が「アトロク」でライムスター宇多丸さんにプレゼンした際には「生演奏によるクラブミュージック」と例えましたがAppleMusicではハウスのカテゴリーに入ってて今回のプレスリリースではテクノポップと呼ばれてます。まぁジャンル分けなんて便宜上のものですから皆さんの感じ方でOKですよ。自分がグッとくる棚に入れてくださいな。

タイの音楽フェスCat Expo 9で会った時のBeam(左)とFhong(右)

FEVERからBeamとPly、そしてbelieve recordsというレーベルでソロのシンガーとして活動していたFhong(フォン)をguitar/vocalに迎えて結成されたのがVINIです。Fhongの曲なんかを聴くとコージーなポップスで、メンバーの音楽嗜好がそれぞれ違う上にVINIとも被らないっていう所が面白いですね。

VINIは2021年12月、「The Cage」でファンの前に姿を現しました。

そして2022年7月にEP「my mom doesn’t like this」をリリース。今回日本で発売される7インチはそのEPからの3曲に、7インチだけに収録のOutroを加えたものってことになります。

来日公演としては、まず2023/02/18にMusic Lane Festival Okinawa 2023に出演。VINI以外にもタイからは8組がやってきて出演しますから音楽フェス好きの方はぜひ詳細チェックしてもらいたいです。

その後東京へ移動して、2023/02/21に青山「月見ル君想フ」で7インチのリリースパーティーが行なわれます。ここもこれまでタイのアーティストのライブが数多く行われて来た会場です。ステージ後ろに大きな満月が投影されてましてね、ライブ中は照明とのコンビネーションで本当に幻想的な空間になるんですよ。VINIにもピッタリだ。ぜひここで「VINIの音と光に包まれて身体を揺らす」体験をしてもらいたいです。この先何度も思い出す夜になると思いますよ。

月見ルのオーナーである寺尾ブッタさんとはDU BOOKSの「アジア都市音楽ディスクガイド」でそれぞれコラムを寄稿してて、本の発売記念DJパーティーでご一緒したんですけどその時僕が「VINIっていうバンドが最近気になってて」という話をしたら「さっきもDJでかけてましたね」と反応してくださって。

さすが寺尾さん、やっぱりチェックしてるんだー、と思ったんですけどまさか本当に月見ルに呼んでくれるなんて!と来日のニュース見た瞬間から毎日東京方面に向かってお礼を言っています。ありがとうございます!はいもちろん行きます!そしてアトロクを通じてFEVERファンになった人たちからも「行きます!」宣言を多数SNSで受け取っています!沖縄と東京両方行く人もひとりいるっぽい(笑)。

元アイドルという異色の経歴を持つタイのテクノポップバンドVINI。この後も色々な活動を日本の音楽ファンに見せてくれるはずです。

その初の来日公演をぜひ皆さんと一緒に楽しみたいと思っています。「アトロク」リスナーの皆さん、タイポップス好きの皆さん、テクノポップやアイドル好きの皆さんも来日公演に足を運んでくださったら嬉しいです!好きそうな友達にも拡散してね!じゃあ現地で!

関連記事:FEVERについての記事はこちらに。

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