ステージ裏で、KristとNanonの長いハグを見た。Cat Expo10、現地レポート(2)

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ。

FM North Waveの日曜日の人気番組、「サバーイサバーイ・タイランド」に出演して、Cat Expo現地レポートをしました。これまでにも「アトロク」などラジオ番組でこのフェスについて話した事はありますが、タイ沼の皆さんに向けてお話しするのは初めてでした。

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放送ではKristくんNanonくんのこのフェスに対する想いについて、Cat Expoをよく知る者としての考察を話したんですが、それをこのブログに書き残しつつ写真を大量に載せようという魂胆ですよ(笑)。ラジオでは写真見せられないからね。

タイフェスの記事同様、写真が多いやたら縦に長いうなぎブログになりますが、どうぞお付き合いください。

今年は雨季がなかなか明けなかったタイ。Cat Expo10も途中雨に見舞われました。初日に降った雨は激しい雷雨になり、ステージと物販ブースで停電が発生。約2時間後の再開後は、各出演者の演奏時間を一律15分カットして終演時間に間に合わせる対応が取られました。

だから2日目の俳優さんタイムには降らないでくれ・・・と願ったけれどKristくんのステージ直前に無情にも雨が降り出し、2日続けて中断の事態に!

物販ゾーンが冠水するほどの雨でした

僕はBNK48のステージにいましたが、雨が強くなってきたため撮影を中止。傘をさしてKristくんが出演予定のステージ2へ向かうと、客席エリアが芝生なので雨でぬかるみになってしまってます。仕方なく取材パスの特権を生かして立ち入り禁止エリアから直接バックステージへ入った途端に滝のような豪雨に!あぶない所でした。

しかし、バックステージのテントは雨でステージを中断したガールズグループBerry BerryのメンバーやKristくんのステージのスタッフとバックミュージシャンでごった返しています。雨宿りで場所借りてるのが申し訳ないんだけど、雨が酷すぎてテントから出られません。必死で守ってるカメラ以外はずぶ濡れです・・・。

少し雨足が弱まるとステージの方から歓声が聞こえてきました。ぬかるみに足をとられて何度も転びそうになりながら傘をさして向かうと、そこにいたのはやはり傘をさしたKristくんでした。

雨の中待ち続けているファンを気遣って声をかけに現れたんです。再開は天候次第ですが、後ろではバックバンドのメンバーが機材チェックを始めています。

結構な時間ファンと話すKristくん。

雨で楽器類にトラブルが起きていないかをチェックする間、KristくんがMCで繋いだんですね!雨はまだ降っていますが、雲間からはときたま夕陽も。これは・・いけるぞ!

フェス再開です!僕は思い切ってステージ袖へ上がる事にしました。ここからならKristくんの靴が撮れるからです!(笑)

Kristくんの靴のかかとが泥で汚れてるのわかりますか?バックステージには一応工事現場用の足場を使って通路らしきものは作ってあるんだけど、どうしても芝生の部分も通らなきゃいけなくて、そこは客席同様ぬかるみなんです。Kristくん悔しかったと思いますよ。「よりにもよって僕のステージ狙って降らなくても・・・そして僕の白い靴がぁ!」って。
そんな気持ちを切り替えて(?)、彼は歌い始めました。

雨も小雨になり、観客も増えていきます。後ろの方の傘さしてるお客さんは通りすがりに入って来た人たち。Kristくんどんな気持ちで客席を見てるのかな。

そして彼が時々観覧車に目をやるのに気付きました。このフェス会場のシンボルともいえる、廃業した遊園地の残骸。もちろん動きません。でもKristくん、これ見れば今Cat Expoに出演してる実感があるだろうな。彼にとっては初のCat Expoだもの。

彼の目線と同じ場所から撮影。Kristくんにはこう見えてました

この時は頭の中で漠然と、Kristくんの気持ちを想像しただけでした。後でこれが伏線だったと分かるんですが。

彼が最後の曲を歌い始めます。僕はバックステージへ。

するとNanonくんが到着していました。

彼はステージ袖の階段を降りてくるKristくんを待ち受けて、ハグをしました。

周りをRISER MUSICのスタッフが行き交う中、シャッターチャンスを狙って待つ間も2人のハグは続いています。

その後もずいぶん長く2人で話していました。ここからはNanonくんの写真コーナーです!

と、いきなりNanonくんの靴が撮れて幸先の良いスタート(笑)。しっかり靴紐を結び直してます。

まもなく開演ですね。スタッフに囲まれてイヤモニなどを付けられています。

準備が整ったようです。リラックスしてるようでもあり、緊張してるようでもあり・・・どっちなのかな。

タイ語で「関係者以外の立ち入りは禁止です。絶対にステージには上がらないでください」

ステージへの階段からはあの観覧車が目の前に見えます。彼にとっては2回目の出演。

彼はゆっくりと階段を上り・・・Nanonくんのステージが始まりました!

僕はKristくんの時と同様、階段を上ってステージ袖に行き数枚撮影しましたが、先程と違いRISER MUSICのスタッフが多数ステージ袖から彼を見ています。少しピリピリした雰囲気も漂ってる。その理由はこの時はまだ分かりませんでしたが、進行の妨げになってはいけないのでステージと客席の間のエリアに降りて撮影する事にしました。

これがセットリスト!

タイフェスで彼を撮影した時とほぼ同じ距離ですが、今回はバンド編成で出演だし取材エリアにはPAも設置されてますから演奏の音圧がボディブローのように身体に効いてきます。しかし撮る!

彼もギターを手に取りました。そして歌いだす「Our Song」!

ちなみに彼が抱えるギターはJames Tyler Guitarsの「Studio Elite HD Arctic Mint Shmear」というモデル。プロミュージシャンに愛用者が多く、新品だとおよそ150万円位で販売されているものです。

Nanonくんが弾くギターの音もしっかり客席に出力されています。バンドの生演奏によるステージの迫力はやはり、タイフェスの時の数段上です。

水分補給は大事(笑)。タイフェスの時も飲んでたもんね。

再びNanonくんがギターを手にします。曲は「Just Friend?」

James Tyler Guitarsはネックの仕上げが特にていねいで、演奏中に左手のひっかかり等のストレスを全く感じないのが特長だそうです。歌に集中したいからこそ、このギターを選んだのかも。

いやー本当良いパフォーマンスだった!しっかりフェスの一員としてステージ作ってくれたっていう感じしました!

帰国前からこの時の写真を少しづつ X (Twitter)にアップすると日本や海外から沢山いいねが付いて、このフェスを「推しのスケジュール」の流れで追っていた人が多いのは分かりました。

一方僕はずっと「タイのインディーズシーン」の流れでこのフェスを捉えていましたから、アイドルと俳優さんが出演するようになった事を「他フェスとの差別化と集客効果」として好意的に見ていました。ジャンル問わず、自分が気に入ったものを受け入れて楽しむのがタイの人の良い所だし、僕自身もインディーズだけじゃなくアイドルもいた方がテンション上がるし。

それを快く思ってない人はやっぱりいて、このフェスの出演バンドにもMCで露骨にアイドルをディスったり出演順でごねたりしたのがいたのを僕知ってます(笑)が、「客寄せは俳優さん呼んだらバッチリでしょ。カラオケでいいからさ、5、6曲歌ってもらえば」みたいな事をCat Expoはしません。BNK48のように興行スタイルが完全に指定されてる一部例外を除けば、アイドルも俳優もきちんと「ひとりのミュージシャン」として扱われ、バンド編成でステージに立ちます

これを出演する側から見たら・・・と考えた時に、KristくんNanonくんの感じていたであろう気持ちが一気に分かっちゃったんですね。Cat Expoを長年見てきただけに。

前身「Fat Festival」から数えると20年以上の歴史があるこの有名なフェスに、ModerndogやTattoo Colour等、自分が子供の頃から知ってるバンドと並んで出演する。日本に例えればデビューがいきなりサマソニ出演で、RADWIMPSや宇多田ヒカルやコーネリアスと共演?うわB’zとサザンもいる!みたいな話ですよ。

しかも「バンドでやってくれ」と。

「ここでは俳優じゃなく、他の出演者同様ミュージシャンとしてのステージを見せてね」って言われてるんです。どんなにプレッシャーだったか想像できます?

NanonくんのCat Expo初出演は去年(2022年)のCat Expo9です。前回の記事にも貼ったYouTubeをもう一度紹介しておきましょう。これCat Radioが撮った公式映像ですが、限定公開リンクで作られたプレイリストに入ってるので検索に出てこなくて、ほとんど知られてないんです。
・Brightくんもサプライズ登場した
・ファンカムじゃない
・フルステージ映像だっていうのに再生回数4500回
っておかしいでしょ。みんな見てよ!(笑)
ちなみに元のプレイリストにはMew SuppasitとBillkinのフルステージ映像もありますからね!あ、でも見終わったらちゃんとこの記事に戻ってきて!

はいおかえりなさい(笑)。Nanonくんガッチガチだったのわかるでしょ?集まってくれたファンに本当はまず「サワディーカップ!」って言いたかったけど、この時のステージ3からも観覧車が思いっきり見えるんですよ。うわぁCat Expoのステージ始まっちゃったっていうのを実感せざるを得ない瞬間というか。それで「Cat Expo~!!」って叫んだと思うんですけど。緊張のあまり歌い出しも微妙にシャープしちゃってるし、喉も開いてなくて苦しそうだし、いきおい振りも大きくなっちゃって大汗(+冷や汗)かいてる。

もうね、光栄ではあるけど重圧も凄くて胃がきりきりしてたと思いますよ。だからひとりでは背負いきれなくてBrightくんにヘルプを頼んだ。そしてそれに応えたBrightくんの友情ね。

そして出演2回目となる今回は、ひとつランクアップしたステージ2でした。(Cat Expoは全部で5ステージ。数字が少なくなるほど、ステージが大きい)

※画像はCat Radio公式X(Twitter)から

後で分かりましたが今回Nanonくんは天候のせいで体調がすぐれず、スタッフからはセットリストを数曲減らして時間短縮する案も出ていたといいます。でもNanonくんは「ファンのために、それはしたくない。予定通り全曲歌う」と決めた、と。

そして僕はあの時、去年とは全然違うNanonくんの姿をずっと見ていたんです。体調がすぐれない素振りなど全く見せず、歌声は安定していて力強く、音響スタッフへの指示もこなれていて、動きも無駄に大きくなくて余裕があってカッコ良かった。何より最初にファンに向かって「サワディーカップ!」が言えた

去年より大きなステージ。悪天候。体調不良。またもや重圧がのしかかっていたはずでした。

でも「去年みたいに終わっていいのか?」と自分に問いかけ、逆境をはねのけるだけの強さが今年のNanonくんにはあった。それはきっとアルバム「The Secrets of The Universe」の制作過程で、ミュージシャンとして成長して身に付けた自信からくるものに違いありません。

そしてKristくんが自分のブースでカップ麺を食べ始めたのも、NanonくんがPhuwinくんと連れ立って飲食ゾーンで食べ歩いたり他のバンドのステージを楽しんだのも、重圧に負けず出演者のひとりとしてこのフェスの名に恥じないステージを務め上げた後の開放感からだったんだろうな、と思うと僕はあの日撮った写真を見ながら少し涙ぐんでいました。これまで僕がF4のアジアツアー、BKPPのファンミーティングと体験してきたタイ沼の現場のようなイベントでは決して見せない「ミュージシャンとしての葛藤」や「ファンに支えられて難局に挑む姿」は、Cat Expoだからこそ見られた感動的な光景だったし、タイ沼とタイのインディーズ音楽の世界がこの2人によって接続されたように感じたからです。

来年も俳優さんがCat Expoに出るのを見たいので、僕はこのブログを公開した後Cat Radioに2人のステージが素晴らしかった事、そして沢山の日本のタイドラマファンがこのフェスに興味を持ってくれた事を伝えます。そしてNanonくんのアルバム「The Secrets of The Universe」とKristくんのシングル曲をじっくり聴くことにします。Cat Expoに出てくれてありがとう!

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