日本とタイそれぞれのT-POPへの期待度(1)T-POP Showcase Tokyo 2024会場から

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ!

今回は2回に分けての連載ですが、まず4月5日に開催された「T-POP Showcase Tokyo 2024」に取材メディアとして参加したので詳しくレポートします!

QRRAを日本で見られる!と当然チケットは申し込んでたんですが、抽選に当たった翌日にご招待の連絡が来て(笑)、ついでにT-POPについてお話が聞きたい、と言われてリモート会議に顔を出したら開演前の取材会にも参加できる事になりました。ありがたや~。買ったチケットはヒップホップ好きの知り合いを「QUADLIPSは見といた方が良いです。絶対」とそそのかして譲りました!

会場のZepp新宿に着くと、すでに結構な人数のファンの人たちが待っています。やっぱりPERSESPROXIEのファンが多いのかなぁ、取材でその2組の写真も撮れたらいいけど、なんて思いながら関係者受付から入場。カメラマンとしてうちの社長のNaomiも同行。

リハーサルが終わったばかりの会場には、この後会場に広がるT-POPの粒子が静かに出番を待っているかのようです。

取材会は「囲み取材」形式ではなかったので取材陣は無言で撮影。普段囲みが多そうなタイのアーティストたちには不慣れだったのか、最初は表情の固いグループが目立ちましたが、そんな彼らの緊張を上手にほぐしていったのがMCの伊豆田莉奈さんとRyotaさん。2人共タイ語はバッチリだし常に笑顔が絶えない。つられて各グループにも笑顔が増えていきました。

AKB48からBNK48、さらにCGM48へと移籍した伊豆田莉奈さん。現在はCGM48支配人も兼任
タイ在住のタレント/俳優/モデルのRyotaさん。
真ん中に立つのは主催者Superballの寺田さん
PERSES。この時はまだ私服
PROXIE
QRRA
QUADLIPS

主催者の方に、僕の書いたQRRAの記事が載った「Thailand Star Magazine」(ぴあから発売中!みんな買ってね!)をメンバーに渡してもらえるよう託して、ロビーへ行くとQRRAのメンバーと遭遇。あー!直接渡すチャンスあったのか!でもSNS用の写真撮影中のようで邪魔しちゃ悪いので移動。

PERSESともすれ違いましたが、彼らも着替えで急いでる模様。

その横ではPROXIEが別取材で撮影中・・・ですが知ってるメディアさんなのでずうずうしく便乗。

・・・めちゃめちゃカッコいいな。と撮影しながら寄っていったら、

メンバーのGornくんがChokunくんとKimくんと一緒に近づいてきて「アナタハ カッコイイ」と声をかけてきました。え?え?

続くタイ語は横のスタッフさんがすかさず通訳してくれます。
「あなたはカッコいいですね。その服はどこで買えますか」

あー(笑)服ね!(笑)

「名古屋の大須で買いました。そして皆さんの方が断然かっこいいですよ」と伝えてもらいました。

T-POPスターから「カッコいい」って言われたよ・・・最高に光栄だよ・・・たとえ服でもな!

この日の僕のいでたちはOriginal John(僕は大須の「ファブシック」で買ってる)のジャケットにTAKA-Qのヴィンテージのシャツ、そしてLEEのベルボトムとチェルシーブーツでした!
まぁ確かに取材陣とは思えない服装だよね(笑)

ロビーは各社の写真撮影タイムで大混乱中ですが、PROXIE全員の写真も撮りたいですと伝えて集まってもらいました

PROXIEのみんなはホントに気さく。日本でも人気なの、わかるなぁ。しかしどう撮影してもカッコよくしか写らないので(笑)、「何枚撮っても全部カッコいいです!」って通訳してもらってフォトセッション終了!素材の違いを見せつけられちゃったよ・・・

続いてQUADLIPSを紹介してもらいました。

QUADLIPSはBNK48(タイ)、JKT48(インドネシア)、MNL48(フィリピン)、SKE48(日本)の混成メンバーによるグローバルユニット。SKE48からは青海ひな乃(Hina)さんが参加しているので名古屋のお菓子を差し入れして自己紹介。

青海ひな乃さん(Hina)
左からCole(MNL48)、Feni(JKT48)、Hina(SKE48)、Fame(BNK48)

ぱっと見AKB48の派生ユニットとは思えないほど振り切った衣装。X SPORTSとそこに関連するファッションや音楽を盛り上げていきたい、というのがQUADLIPSのテーマ。これだけ露出の多い衣装でもヘルシーなイメージをキープできているのは、スポーティなコンセプトに加えてAKBグループの核である「カワイイ」が4人の中にしっかり根付いているからでしょう。良いねQUADLIPS!

さらに伊豆田莉奈さんにも遭遇。名刺を渡すと「知ってますよ。(SNSに)コメントとかくれてますよね?」うわー認知されてた!

さぁいよいよ開幕です!

ショーはQRRAからスタート。昨年タイで取材した時には野外ステージが大雨で、真横からしか見られなかったので正面から振付を見られるのが嬉しくてしょうがない(笑)
新しい衣装もグループのコンセプト「気高くて悪戯っぽいプリンセス」のイメージに合ってますね。

セットリスト:
1.Overture + HappyWeDay! (2nd single)
2.Miracle (debut single)
3.Vanilla (LYRA)
4.Hurry Up! (VYRA)
MCでは「タイの人はみんな指が外に曲がる」と言ってタイ舞踊を披露したりしてにぎやかでした。メンバーのNewがQRRAでの名前を「Chanya(チャンヤー)」に改名する発表もあったり。

続いてはPERSES。客席ではペンライトが光ります。もちろん女性ファンは多いけど、ダンスのキレと無重力感(なんかジャンプの滞空時間が長いの!)はQRRAファンの僕も思わず見入ってしまうほど。知り合いの女性に大ファンがいるんですがここがキュンポイントなんだね、きっと!

セットリスト:
1.Interlude + Catch the Night
2.Bounce
3.Far Too Close(新曲)
4.TOUCHDOWN
5.Cuteless
6.MY TIME

新曲「Far Too Close」も披露されてファンは大満足だったんじゃないかな?僕はPERSESについてまだあまり知らないけど、初見でも凄く楽しかったです!

続いてPROXIEが登場。

セットリスト:
1.Crush + Crazy Love
2.STOP!
3.Silent Mode
4.Unnoticed
5.Lonely Boy
6.BLURRR

Silent Modeは彼らの代表曲だから知ってたけど、他の曲も良かった!僕はそもそもBNK48ファンだからガールズグループを追いがちだけど、ボーイズグループのT-POPもこれからはチェックしなきゃ。そしてQRRAやQUADLIPSのファンとおぼしき男性のお客さんたちもPERSESとPROXIEを身体揺らして聴いてくれてるのが嬉しかった。馴染みがなくてもまず耳を傾けてみる。楽しかったら踊る。まさにタイの現場みたいでした!

ショーを締めくくるのはQUADLIPSです!
と、ここで各メンバーの名前を呼ぶ歓声が次々と。日本在住のタイ/フィリピン/インドネシアの人たちも自分の国の48メンバーの応援に来ていたんです。
日本在住の愛知県の人(僕)もね!

デビュー曲「Catch Me Kiss Me」を披露した後はMCタイム。メンバー同士のトークのわちゃわちゃ感はAKB48グループの劇場公演でおなじみの光景。そうか、これが強みか!この子たちは「ストリート」と「カワイイ」を自由に行き来できるんだ!

Fameの髪に絡まったイヤモニのケーブルを直してあげるCole

まだ1曲しかリリースしていない彼女たち、この後のセットリストは?と思っていたら「私たちの曲じゃないけど、デビューまでの準備期間にずっと練習していた曲をやります。」というHinaさんのアナウンス。

「FIRE BOY」キター!これは嬉しいサプライズ。当然PERSESやPROXIEファンの皆さんもPP Kritの履修率が高いから客席から一緒に歌ってくれてます。優しい世界・・・!

「Music VIdeoの撮影もまだこれから」という新曲「OVER DRIVE」の初披露や久保田利伸のカバーも飛び出す良いセットリストでした!

セットリスト:
1.Catch Me Kiss Me
2.FIRE BOY(PP Krit)
3.OVER DRIVE(新曲)
4.LA・LA・LA LOVE SONG(久保田利伸)

最後に出演アーティスト全員がステージに再登場して記念撮影。

お客さんが退場した後、取材陣には改めて出演アーティストからのご挨拶タイムがありました。

PROXIE(Gun):今日のイベントに招いていただき、本当にありがとうございます。凄く準備など大変だっただろうと思うんですが、このような素敵なイベントに参加できて本当に嬉しかったです。またこういう機会がある事を楽しみにしています。

QUADLIPS(Hina):タイでの生活は、みんな国が違うので文化や言葉の違いにぶつかる事もあるんですけど、でもまだ一度もケンカした事ないくらい息が合うこの4人なので、これからも私たちの成長を楽しみにしてくれたらと思いますし、沢山の思い出をこのメンバーと、そしてファンの皆さんと色んなステージで作りたいと思っているので、応援してくれると嬉しいです。

QRRA(Fond):今日の機会をいただけた事が本当に嬉しくて、今日は日本の皆さんに(QRRAを)知ってもらう事ができて良かったです。これからもよろしくお願いします。

PERSES(Jung):PERSESにとっては日本で初めての公演だったんですけど、凄く貴重な経験になりました。会場も豪華で楽しかったし、今後も他のT-POPのグループと一緒にステージに立てるような機会があったらいいなと思っています。PERSESの応援、よろしくお願いします。

伊豆田莉奈:今日初めてT-POPアーティストのパフォーマンスを見た方が沢山いると思うんですけど、本当に今タイではT-POPが流行っているので、日本にもこのブームが広がってくれたらどんどん彼らに会える機会が増えるので、ぜひ皆さん全員で応援よろしくお願いします!

Ryota:今、すごい勢いでT-POPは成長しているんで、ぜひ取材陣の皆さんの力で日本に広めてくれたらと思います。あの、私なんでもやりますんで(笑)お仕事くださいませ!

アーティストの皆さんが退場する直前、取材モードからファンに戻らせてもらってQRRAのPopperに手を振りファンサをいただきました・・・(笑)

僕の推し可愛いでしょ?2023年のタイフェスティバル東京にBNK48として来た時に、笑顔がとても魅力的で僕ファンになったんです。

QRRAとBNK48、両方の仕事があってハードスケジュールだと思うけど、身体に気を付けて頑張ってねPopper!

AKB48海外姉妹グループのライセンス事業を通じてアジア各国のエンタメ最前線に触れてきた主催者さんの「海外のエンタメを日本に紹介したい」という言葉には、T-POPだけでなく観光・食べ物・コスメなども含めたタイという国の複合的な魅力への強い期待が感じられました。

日本では2000年代に起こったK-POPブーム以降、「ネクストK-POP」を見つけられないまま20年以上が過ぎちゃいましたが、コロナ禍と時期が重なったタイドラマのブームは業界主導ではなく「ステイホーム」ゆえに起きた、SNSとファンベースによる力強いものでした。T-POPという言葉が徐々に広まり始めたのもタイドラマのOSTをきっかけとしての事です。

そしてそれはK-POPに取って代わるものでも、K-POPと対立するものでもありません。これはファンにとって「推し増し」なんです。BTS神推しだけどPROXIEにはまた違う良さがあるんだと。NewJeans毎日聴いてるけどQRRAも最近気になるんだと。

そんな中ベストタイミングで開催されたT-POP Showcase Tokyo 2024、集まったファンの皆さんの楽しそうな後ろ姿を取材エリアから拝見してこう思いました。

「不景気」「少子高齢化」っていう言葉を見聞きし過ぎて、なんだか毎日閉塞感を感じてる日本人をちょっと明るい気持ちにしてくれる、やっと見つかった「K-POPの次に流行りそうなもの」、大事に育ててみませんか?みんなで。

次回開催もありそうなムード強めですが、ひとつだけリクエストするとしたら物販かな。俳優さんのイベントを別にすればT-POPのライブで毎回弱いのが物販なんですよね。せっかくライブに来て楽しくても、来た証が残らないのは寂しくて。今回物販はクリアファイルだけだったのでもう少し・・・イベント名入りのTシャツとか、アーティストロゴのアクリルキーホルダーとかねぇ、上手い事タイ側と調整してもらって「推しに会いに来た証拠」が買えるイベントになると良いなと思いました。

次の僕の記事ではタイの音楽レーベル側から見た「日本に輸出されるT-POP」について、タイ大使館でのイベントレポートと共にお伝えしたいと思います。次回もお楽しみに!

QUADLIPSのインタビューもタイランドハイパーリンクスさんで公開されています。ぜひ読んでみてくださいね!
https://www.thaich.net/thaistars/quadlips2024.htm

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