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Spotifyで作る妄想LPレコード (2)US盤ラバー・ソウル改

コラム
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山麓園太郎です。Spotifyのプレイリストで架空のLPレコードを作る企画、前回はタイのサンシャイン・ポップ2組の合同ベスト盤を作ってみましたが、今日はビートルズの傑作「ラバー・ソウル」のUS(アメリカ)盤・「こうだったらいいな編集」です。

ビートルズは1964年にアメリカでもヒットチャート1位を取って、それこそ世界を征服したかのようになりましたけど、当時実際にはまだ「ロックバンド」ではなく「アイドル・ポップ」として見られていました。

レコード会社の力関係的にも本国イギリスよりアメリカの方が強く、ビートルズはアメリカ盤の制作にはタッチできなかったといいます。

イギリスでは「同じ曲を2度ファンに買わせるなんて!」と、シングル盤をアルバムに収録しないのが常だったビートルズですが、アメリカではそんなことはお構いなし。

更にA面・B面合わせて14曲収録が慣習だったイギリスに対して、アメリカでは12曲が慣習。そこでイギリス盤の収録曲から4曲をカットしてから発売中のシングル2曲で水増しして12曲にする、という方法をアメリカのレコード会社(キャピトル)は思い付きました。

「どうせ人気も一時的なアイドルバンドだ。かさ増しして連発して、売れるうちに売っとけー!」と重役会議で偉い人が絶対言ったに違いないですね(笑)。途中からは収録曲数を11曲に変更するという手まで繰り出してネタを溜めこみ、独自編集のアルバムを出しまくります。

その後本当に世界を征服し、発言力も増しまくったビートルズが「僕たちのアルバムをきざみ売りするのヤメロー!」と怒り、イギリスと同じ内容で発売されるようになったのは1967年の有名な「サージェント・ペパーズ」から。それまでにビートルズがイギリスで出したアルバムは8枚ですが、その間キャピトルからは独自企画の2枚組ドキュメンタリー盤も含め12枚のアルバムが発売されました。

そんなわけでファンの間では評判の良くないUS盤なんですが、僕1965年の「ラバー・ソウル」のUS盤だけはちょっと好きなんです。

US盤のLPレコード。上はオリジナル盤のCDです(mono box)

オリジナルから「ドライブ・マイ・カー」「ひとりぼっちのあいつ」「消えた恋」「恋をするなら」(時代感を出したくて当時の邦題であえて書きました)の4曲をカットして、「ヘルプ!」から削ってとっておいた「夢の人」「イッツ・オンリー・ラブ」をそれぞれA面B面の頭に置いた、という内容です。

この時期ビートルズはアルバム毎に音楽性も録音方法も進化させていたので、この古い2曲は少し浮いて聴こえるんですけど、各面のオープニングを飾るこの2曲のせいでアメリカではこのアルバムが「フォーク・ロックの名盤」としても評価されているんです。

イギリス盤では「ドライブ・マイ・カー」で幕を開けて、アルバムタイトル通りソウルに接近しようと試みたビートルズですが、ソウルテイストの曲で全部を埋めることもできず、「ヘルプ!」や「フォー・セール」からの延長線上にある曲も多く含まれています。

US盤は独自編集のおかげでそのバランスがいい塩梅でまとまった、と思うんです。ただ、もう少しひねると更に良くなる気もする。

今回作ったプレイリストは「夢の人」で幕を開けて、以降US盤に沿った進行の中に「ひとりぼっちのあいつ」を復活させて「愛のことば」でA面を終え、B面が「ミッシェル」で始まって以降US盤に沿って進み、「浮気娘」をカットする、というものです。妄想LPレコードですからA面とB面の間で気持ちを切り替えて聴いてくださいね。

当時のLPレコードはこのように、収録時間が30分に満たないものも多かったですが、逆にこの位がちょうどいいんじゃないの?と、Spotifyがオススメしてくる2時間超えのプレイリストなんか見てると思いますねぇ。

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